瓦の塗装は必要?屋根瓦の種類や費用、補助金などについて解説!

「瓦の塗装ってしたほうがいいの?」
「塗装が要らない屋根瓦ってあるの?」

これらの疑問は瓦の劣化が気になっている方に多いです。

瓦は種類によって塗装の必要性や補修の方法が異なるため、ご自宅の瓦のメンテナンス方法がわからないという方もいるのではないでしょうか。

本記事では塗装が必要な瓦の種類やそれぞれの瓦の特徴、塗装にかかる費用などを解説します。

瓦に塗装が必要かどうかは瓦の種類による

塗装が要らない瓦は日本瓦(和瓦)だけで、その他の瓦には基本的に塗装が必要です。

以下では、瓦の種類ごとに特徴や耐用年数などを具体的に解説します。

日本瓦(和瓦)・陶器瓦

日本瓦や陶器瓦、いぶし瓦などは粘土を高温で焼き締めているため防水性や耐火性に優れており、塗装の必要がありません。

粘土系の瓦はよほどの衝撃で割れやヒビが生じなければ、耐用年数は50〜100年程度と頑丈です。

「瓦の色褪せを元に戻したい」と考えている方がいるかもしれませんが、日本瓦は塗装をするとかえって見栄えが悪くなるリスクがあります。

なぜなら日本瓦の表面は塗料が密着しづらく、すぐに剥離してしまう可能性が高いからです。

仮に日本瓦を一度塗装すると、定期的な塗装のメンテナンスが必要となり手間も増大します。

日本瓦のメンテナンスは基本的に瓦の差し替えや補修、漆喰の補修などがメインです。

セメント系の瓦

セメント系の瓦の耐用年数は25〜30年程度ですが、経年劣化により瓦自体が吸水してしまう性質上10〜15年ごとの塗装が必要です。

セメント系の瓦は大きく分けてモニエル瓦とセメント瓦の2種類があり、両者の塗装方法は異なります。

下記ではモニエル瓦とセメント瓦の特徴や塗装の仕方、両者の見分け方などを具体的に解説します。

モニエル瓦

モニエル瓦は軟式コンクリート瓦やパラマウント瓦、スカンジア瓦とも呼ばれ、骨材とセメントを水で混ぜ合わせて瓦に形成したものです。

モニエル瓦には表面の劣化を防ぐために「スラリー層」という厚い着色剤の層があります。

スラリー層により保護されたモニエル瓦は、セメント瓦よりも防水性と耐久性に優れたものです。

ただしモニエル瓦の塗装では、高圧洗浄などでスラリー層を念入りに除去しておく過程が重要になります。

なぜなら古いスラリー層が残ったまま上から塗装を行うと、塗膜が剥離してしまうリスクがあるからです。

モニエル瓦の塗装にはスラリー層を完全に除去する工程を要するため、セメント瓦よりも施工に日数がかかる傾向があります。

最近ではスラリー層への密着力の強い塗料もあるので、施工に時間をかけたくないのであれば塗料をしっかりと選ぶことが大切です。

セメント瓦

セメント瓦はセメントと砂を主原料としたモルタルでできており、粘土瓦よりもリーズナブルであるという理由で過去に流行したものです。

セメント瓦では顔料をモルタルに練り込んだり、形成後に塗装処理を行ったりしていますが、モニエル瓦のようなスラリー層はありません。

したがってセメント瓦は塗膜が経年劣化しやすく、モニエル瓦よりも防水性や耐久性は低めです。

セメント瓦はメンテナンスを放置すると瓦自体が吸水により劣化し、塗装を行っても原状回復できなくなるリスクがあります。

ご自宅の瓦がセメント瓦であれば、メンテナンスや点検を早めに行う心がけが必要です。

モニエル瓦とセメント瓦の見分け方

ご自宅の瓦に適切な塗装を施すには、瓦の種類の見極めが重要です。

下記ではモニエル瓦とセメント瓦の見分け方を確認していきましょう。

【モニエル瓦】
・瓦の小口(下端)の形状が凹凸である
・触ると手に粉が付着する

【セメント瓦】
・小口がなめらかである
・瓦の表面の塗膜が簡単に傷つく
・瓦の表面が布目模様である

ご自宅の瓦の種類がわからない場合、上記の特徴をぜひ参考にされてみてください。

金属系の瓦

金属系の瓦にはガルバリウム鋼板やトタンなどがあり、色褪せやサビが生じた際は塗装によるメンテナンスが必要です。

ガルバリウム鋼板とトタンには共通して優れた防水性がありますが、下記に挙げる点で異なります。

【ガルバリウム鋼板】
・耐用年数:20~40年
・メンテナンスの頻度:15~25年
・特徴:トタンに比べるとサビにくい

【トタン】
・耐用年数:10~30年
・メンテナンス:7~10年
・特徴:比較的サビやすい

金属系の屋根はメンテナンスを怠るとサビが全体に広がり、全体的な塗り替えや葺き替えが必要になってしまいます。

屋根の耐久性を維持するためにも、定期的な点検が必要です。

スレート系の瓦

スレート系の瓦はセメントと繊維を主成分とした平板状の屋根材です。

スレート系の瓦の耐用年数は20〜30年ですが、比較的劣化スピードが早く塗装メンテナンスは7〜10年ごとに必要です。

スレート屋根はデザイン性と耐震性に優れており、さまざまな建物の屋根材に用いられています。

一方で防音性や耐衝撃性、断熱性が比較的低いといったデメリットもあります。

なお2004年以前に製造された商品には、体内に有害な成分「アスベスト」が含まれている可能性があるため注意が必要です。

瓦を塗装する必要性

瓦の塗装やメンテナンスを怠ると下記のリスクが発生しやすくなります。

・セメント瓦の場合:ひび割れによる雨漏りや瓦破片の落下
・金属系の瓦の場合:サビの拡大による穴の発生
・スレート系の瓦の場合:吸水による苔の増殖

セメント系やスレート系の瓦は吸水した状態に陥ると、塗装を施しても瓦自体の原状回復が困難です。

この場合、新たな屋根材への差し替えが必要となります。

また塗装の要らない日本瓦にも下記に挙げる経年劣化があり、定期的なメンテナンスが必要です。

・割れやヒビの発生
・位置のズレ
・変色や色褪せ
・苔の増殖

日本瓦は他の瓦に比べると耐用年数が長めですが、劣化がひどくなる前にメンテナンスを行うことが大切です。

瓦の塗装にかかる費用相場

瓦の塗装にかかる費用は30坪程度の住宅で60〜80万円程度、外壁塗装も行う場合は110〜160万円程度が相場です。

ただし上記費用のほかに足場代やシーリング代などの諸経費が別途必要です。

使用する塗料の種類によって平米あたりの価格が異なるため、耐久性に優れた塗料を選ぶと費用は高くなります。

屋根の劣化具合によって補修の仕方が変わり、費用が相場を大幅に超える可能性がある点にも注意が必要です。

実際瓦の劣化が顕著で塗装だけでは不十分な場合、高額な葺き替え費用が生じるケースがあります。

瓦の塗装費用が気がかりであるならば、専門業者に見積もりを依頼してみましょう。

瓦の塗装についてよくある質問

瓦の塗装を検討している方によくある質問を紹介します。

瓦の塗装に疑問や不安をお持ちの方はぜひ参考にされてみてください。

洋瓦には塗装が必要ですか?

セメント系の洋瓦には塗装が必要ですが、粘土系の洋瓦であれば塗装は不要です。

セメント系と粘土系の洋瓦は見た目が似ていますが、塗装の必要性や耐久性が大きく異なります。

洋瓦というだけで塗装を判断せず、瓦の材質に応じて適切なメンテナンスを行うことが大切です。

瓦の塗装は自分でできますか?

瓦の塗装を自分で行うことはおすすめしません。

素人による塗装には下記の危険が伴うからです。

・怪我やトラブルが生じても助けを呼べないリスクがある
・瓦のずれや破損の恐れがある
・瓦破損による雨漏りを招く可能性がある
・屋根から落下してしまう恐れがある

低コストなDIYで瓦塗装を行っても、事故や破損が起きてしまってはさらなる費用がかさんでしまいます。

瓦の塗装は必ず専門の業者に依頼しましょう。

塗料ごとに耐用年数は異なりますか?

塗料によって、耐用年数は異なります。

屋根に使用される主な塗料と耐用年数は下記が目安です。

・シリコン塗料:4〜9年
・フッ素塗料:6〜14年
・無機塗料:12〜14年

上記はあくまで目安なので、不具合が確認できた場合は都度業者に相談しましょう。

屋根の塗装に補助金が出ることはありますか?

自治体によっては、屋根の塗装を補助する補助金・助成金制度を実施しているところがあります。

補助金制度の有無や給付要件、給付額などは自治体によって異なるため、事前に担当の窓口に確認しましょう。

なお補助金制度は一般的に期限や予算、定員が決まっており、場合によっては予定よりも早く受付が終了するケースもあります。

瓦の塗装を検討し始めたなら、補助金を申請できるかどうかを早めに自治体に問い合わせておくのがおすすめです。

瓦の種類を見極めて塗装やメンテナンスで劣化を防ごう

基本的に粘土系の瓦には塗装が不要ですが、それ以外の種類の瓦には塗装によるメンテナンスが必要です。

また瓦の種類によって耐用年数や塗装の頻度、補修方法などは異なるため、適切なメンテナンスを行うには瓦の種類の見極めが重要になります。

瓦は劣化が進むと耐用年数よりも早い段階で差し替えが必要になるケースがあるため、定期的な点検の継続が必要です。

瓦の状態が気になるのであれば、一度信頼できる業者に屋根の診断をしてもらい、塗装が必要な時期や最適な補修方法などを確認してみましょう。

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