屋根塗装

瓦の塗装は必要?屋根瓦の種類や費用、補助金などについて解説!

「瓦の塗装ってしたほうがいいの?」
「塗装が要らない屋根瓦ってあるの?」

これらの疑問は瓦の劣化が気になっている方に多いです。

瓦は種類によって塗装の必要性や補修の方法が異なるため、ご自宅の瓦のメンテナンス方法がわからないという方もいるのではないでしょうか。

本記事では塗装が必要な瓦の種類やそれぞれの瓦の特徴、塗装にかかる費用などを解説します。

瓦に塗装が必要かどうかは瓦の種類による

塗装が要らない瓦は日本瓦(和瓦)だけで、その他の瓦には基本的に塗装が必要です。

以下では、瓦の種類ごとに特徴や耐用年数などを具体的に解説します。

日本瓦(和瓦)・陶器瓦

日本瓦や陶器瓦、いぶし瓦などは粘土を高温で焼き締めているため防水性や耐火性に優れており、塗装の必要がありません。

粘土系の瓦はよほどの衝撃で割れやヒビが生じなければ、耐用年数は50〜100年程度と頑丈です。

「瓦の色褪せを元に戻したい」と考えている方がいるかもしれませんが、日本瓦は塗装をするとかえって見栄えが悪くなるリスクがあります。

なぜなら日本瓦の表面は塗料が密着しづらく、すぐに剥離してしまう可能性が高いからです。

仮に日本瓦を一度塗装すると、定期的な塗装のメンテナンスが必要となり手間も増大します。

日本瓦のメンテナンスは基本的に瓦の差し替えや補修、漆喰の補修などがメインです。

セメント系の瓦

セメント系の瓦の耐用年数は25〜30年程度ですが、経年劣化により瓦自体が吸水してしまう性質上10〜15年ごとの塗装が必要です。

セメント系の瓦は大きく分けてモニエル瓦とセメント瓦の2種類があり、両者の塗装方法は異なります。

下記ではモニエル瓦とセメント瓦の特徴や塗装の仕方、両者の見分け方などを具体的に解説します。

モニエル瓦

モニエル瓦は軟式コンクリート瓦やパラマウント瓦、スカンジア瓦とも呼ばれ、骨材とセメントを水で混ぜ合わせて瓦に形成したものです。

モニエル瓦には表面の劣化を防ぐために「スラリー層」という厚い着色剤の層があります。

スラリー層により保護されたモニエル瓦は、セメント瓦よりも防水性と耐久性に優れたものです。

ただしモニエル瓦の塗装では、高圧洗浄などでスラリー層を念入りに除去しておく過程が重要になります。

なぜなら古いスラリー層が残ったまま上から塗装を行うと、塗膜が剥離してしまうリスクがあるからです。

モニエル瓦の塗装にはスラリー層を完全に除去する工程を要するため、セメント瓦よりも施工に日数がかかる傾向があります。

最近ではスラリー層への密着力の強い塗料もあるので、施工に時間をかけたくないのであれば塗料をしっかりと選ぶことが大切です。

セメント瓦

セメント瓦はセメントと砂を主原料としたモルタルでできており、粘土瓦よりもリーズナブルであるという理由で過去に流行したものです。

セメント瓦では顔料をモルタルに練り込んだり、形成後に塗装処理を行ったりしていますが、モニエル瓦のようなスラリー層はありません。

したがってセメント瓦は塗膜が経年劣化しやすく、モニエル瓦よりも防水性や耐久性は低めです。

セメント瓦はメンテナンスを放置すると瓦自体が吸水により劣化し、塗装を行っても原状回復できなくなるリスクがあります。

ご自宅の瓦がセメント瓦であれば、メンテナンスや点検を早めに行う心がけが必要です。

モニエル瓦とセメント瓦の見分け方

ご自宅の瓦に適切な塗装を施すには、瓦の種類の見極めが重要です。

下記ではモニエル瓦とセメント瓦の見分け方を確認していきましょう。

【モニエル瓦】
・瓦の小口(下端)の形状が凹凸である
・触ると手に粉が付着する

【セメント瓦】
・小口がなめらかである
・瓦の表面の塗膜が簡単に傷つく
・瓦の表面が布目模様である

ご自宅の瓦の種類がわからない場合、上記の特徴をぜひ参考にされてみてください。

金属系の瓦

金属系の瓦にはガルバリウム鋼板やトタンなどがあり、色褪せやサビが生じた際は塗装によるメンテナンスが必要です。

ガルバリウム鋼板とトタンには共通して優れた防水性がありますが、下記に挙げる点で異なります。

【ガルバリウム鋼板】
・耐用年数:20~40年
・メンテナンスの頻度:15~25年
・特徴:トタンに比べるとサビにくい

【トタン】
・耐用年数:10~30年
・メンテナンス:7~10年
・特徴:比較的サビやすい

金属系の屋根はメンテナンスを怠るとサビが全体に広がり、全体的な塗り替えや葺き替えが必要になってしまいます。

屋根の耐久性を維持するためにも、定期的な点検が必要です。

スレート系の瓦

スレート系の瓦はセメントと繊維を主成分とした平板状の屋根材です。

スレート系の瓦の耐用年数は20〜30年ですが、比較的劣化スピードが早く塗装メンテナンスは7〜10年ごとに必要です。

スレート屋根はデザイン性と耐震性に優れており、さまざまな建物の屋根材に用いられています。

一方で防音性や耐衝撃性、断熱性が比較的低いといったデメリットもあります。

なお2004年以前に製造された商品には、体内に有害な成分「アスベスト」が含まれている可能性があるため注意が必要です。

瓦を塗装する必要性

瓦の塗装やメンテナンスを怠ると下記のリスクが発生しやすくなります。

・セメント瓦の場合:ひび割れによる雨漏りや瓦破片の落下
・金属系の瓦の場合:サビの拡大による穴の発生
・スレート系の瓦の場合:吸水による苔の増殖

セメント系やスレート系の瓦は吸水した状態に陥ると、塗装を施しても瓦自体の原状回復が困難です。

この場合、新たな屋根材への差し替えが必要となります。

また塗装の要らない日本瓦にも下記に挙げる経年劣化があり、定期的なメンテナンスが必要です。

・割れやヒビの発生
・位置のズレ
・変色や色褪せ
・苔の増殖

日本瓦は他の瓦に比べると耐用年数が長めですが、劣化がひどくなる前にメンテナンスを行うことが大切です。

瓦の塗装にかかる費用相場

瓦の塗装にかかる費用は30坪程度の住宅で60〜80万円程度、外壁塗装も行う場合は110〜160万円程度が相場です。

ただし上記費用のほかに足場代やシーリング代などの諸経費が別途必要です。

使用する塗料の種類によって平米あたりの価格が異なるため、耐久性に優れた塗料を選ぶと費用は高くなります。

屋根の劣化具合によって補修の仕方が変わり、費用が相場を大幅に超える可能性がある点にも注意が必要です。

実際瓦の劣化が顕著で塗装だけでは不十分な場合、高額な葺き替え費用が生じるケースがあります。

瓦の塗装費用が気がかりであるならば、専門業者に見積もりを依頼してみましょう。

瓦の塗装についてよくある質問

瓦の塗装を検討している方によくある質問を紹介します。

瓦の塗装に疑問や不安をお持ちの方はぜひ参考にされてみてください。

洋瓦には塗装が必要ですか?

セメント系の洋瓦には塗装が必要ですが、粘土系の洋瓦であれば塗装は不要です。

セメント系と粘土系の洋瓦は見た目が似ていますが、塗装の必要性や耐久性が大きく異なります。

洋瓦というだけで塗装を判断せず、瓦の材質に応じて適切なメンテナンスを行うことが大切です。

瓦の塗装は自分でできますか?

瓦の塗装を自分で行うことはおすすめしません。

素人による塗装には下記の危険が伴うからです。

・怪我やトラブルが生じても助けを呼べないリスクがある
・瓦のずれや破損の恐れがある
・瓦破損による雨漏りを招く可能性がある
・屋根から落下してしまう恐れがある

低コストなDIYで瓦塗装を行っても、事故や破損が起きてしまってはさらなる費用がかさんでしまいます。

瓦の塗装は必ず専門の業者に依頼しましょう。

塗料ごとに耐用年数は異なりますか?

塗料によって、耐用年数は異なります。

屋根に使用される主な塗料と耐用年数は下記が目安です。

・シリコン塗料:4〜9年
・フッ素塗料:6〜14年
・無機塗料:12〜14年

上記はあくまで目安なので、不具合が確認できた場合は都度業者に相談しましょう。

屋根の塗装に補助金が出ることはありますか?

自治体によっては、屋根の塗装を補助する補助金・助成金制度を実施しているところがあります。

補助金制度の有無や給付要件、給付額などは自治体によって異なるため、事前に担当の窓口に確認しましょう。

なお補助金制度は一般的に期限や予算、定員が決まっており、場合によっては予定よりも早く受付が終了するケースもあります。

瓦の塗装を検討し始めたなら、補助金を申請できるかどうかを早めに自治体に問い合わせておくのがおすすめです。

瓦の種類を見極めて塗装やメンテナンスで劣化を防ごう

基本的に粘土系の瓦には塗装が不要ですが、それ以外の種類の瓦には塗装によるメンテナンスが必要です。

また瓦の種類によって耐用年数や塗装の頻度、補修方法などは異なるため、適切なメンテナンスを行うには瓦の種類の見極めが重要になります。

瓦は劣化が進むと耐用年数よりも早い段階で差し替えが必要になるケースがあるため、定期的な点検の継続が必要です。

瓦の状態が気になるのであれば、一度信頼できる業者に屋根の診断をしてもらい、塗装が必要な時期や最適な補修方法などを確認してみましょう。


屋根の塗装工事の工程を解説!注意点やよくある質問も紹介

「屋根塗装の工程が知りたい」
「屋根塗装を依頼する時の注意点が知りたい」

このように、屋根塗装の工程や費用などを知りたいという方もいるのではないでしょうか。

屋根の塗装にはいくつかの必要な工程があります。

本記事では屋根塗装の工程や注意点などを分かりやすく解説していますので、ぜひ最後までご一読ください。

屋根塗装の工程

屋根塗装の工程は下記のとおりです。

・近隣住民への挨拶
・足場の設置
・高圧洗浄
・養生
・下塗り
・中塗り
・上塗り
・チェック作業、手直し
・足場の解体、清掃

上記の各工程は塗装工事において重要な役割を持っています。

それぞれどのような作業を実施するのか詳しくみていきましょう。

近隣住民への挨拶

工事を始める前に、近隣住民に挨拶を行いつつ工事内容や工期を伝えます。

工事中は騒音が発生しやすく車両の出入りも頻繁になるものです。

そこで事前に工事を周知しておくことで、近隣住民からの理解も得やすくトラブル防止につながります。

基本的に近隣挨拶は業者が代行してくれますが、気になる方は直接伝えて頂いても問題ありません。

足場の設置

屋根の塗装作業は危険を伴うため、安全面を考慮して足場を設置するのが一般的です。

足場を組んだ後は塗料が飛散しないよう、メッシュシートも設置します。

メッシュシートの設置は高圧洗浄を行った後で行われる場合もあります。

高圧洗浄

塗装をする前に、屋根についているカビや汚れを除去するため高圧洗浄を実施します。

事前に汚れを取り除いておくことで、塗料の吸着が良くなるからです。

高圧洗浄した後はしっかりと屋根を乾燥させてから下地調整を行います。

養生

養生とは、塗料が施工箇所以外に付着しないようにビニールや布で覆って防ぐことです。

屋根塗装はローラーやハケで行うため塗料が飛び散りやすく、窓やサッシを保護する必要があります。

下塗り

下塗りは、屋根と上塗り塗料の吸着力を上げるための接着剤の役割を担っています。

屋根塗装は3回塗りが一般的で、そのうち1回目のことを下塗りと呼びます。

中塗り

中塗りの塗料は上塗りと同じものを使用して行うものです。

塗装を行う際に細かい部分はハケで塗り、広い面はローラーで仕上げます。

下塗り・中塗り・上塗りの間には一定の乾燥時間を置く必要があるため、少し時間を空けて次の作業を行います。

上塗り

中塗りの次に実施するのが上塗りです。

中塗りと同じ塗料を重ねると、塗料の厚みを持たせられるだけでなく耐久性が上がるため、綺麗な仕上がりにすることができます。

乾燥時間は外気温によって異なり、夏は乾燥が早く、梅雨時や霜が発生しやすい冬などは遅くなります。

チェック作業・手直し

工事が完了したら塗り残しや塗りムラなどがないか確認して、必要があれば追加の塗装作業を行います。

養生を撤去して、塗料が飛び散っていたらシンナーで拭き取るなどして綺麗にします。

足場の解体・清掃

完了検査が終わったら、組んだ足場を解体して家の周りの清掃を行います。

資材を回収するためにトラックなどの出入りが一時的に多くなるので、外出する際は事故に注意しましょう。

足場や資材の撤去が完了したら家主まで引き渡しを行い、工事完了となります。

屋根の塗装工事で注意すべきポイント

施工後

屋根の塗装工事で注意すべきポイントは下記のとおりです。

・見積もり時に細かく点検してもらう
・DIYではなく業者に依頼しよう
・釘打ちやタスペーサーまで依頼しよう

屋根の塗装工事を行う際は、事前の点検や業者への依頼方法が大切です。

見積もり時に細かく点検してもらおう

施工する前の見積もり時に専門の業者に点検してもらうことで、状況に沿った適切な見積もり額を出してもらえます。

「一式」など見積書の内容が曖昧な業者には注意しましょう。

「その工程は見積もりに入っていない」などトラブルにつながるリスクがあるため、不当な高額請求をされないための工夫をしておくと安心です。

使用する塗料や塗る面積など、詳細まで記載されている業者は安心感があります。

DIYではなく業者に依頼しよう

DIYで屋根の塗装を行うのは危険です。

無理をせず業者へ相談することをおすすめします。

DIYで屋根の塗装を行うのが危険な理由は下記のとおりです。

・屋根から落下するリスクがある
・屋根材を傷めてしまうリスクがある
・正しく塗装しないと塗料本来の性能が発揮できない

DIYよりも費用はかかりますが、業者に依頼すれば安全かつ確実に屋根塗装を行ってくれます。

危険な目に遭わないためにも、屋根の塗装は業者に依頼しましょう。

釘打ちやタスペーサーまで依頼しよう

業者に依頼する場合は、タスペーサーまで行ってもらいましょう。

タスペーサーとは、屋根材の隙間を塗料が塞がないようにするための道具のことです。

タスペーサーで隙間を確保しないと雨水が屋根材からうまく排出できず、雨漏りに繋がる恐れがあります。

また抜けそうな釘があれば釘打ちをしてもらうよう、事前に業者へお願いしておきましょう。

抜けそうな釘を放置すると屋根材が剥がれたり雨漏りの原因になったりします。

屋根の塗装工程に関するよくある質問

屋根塗装の様子

屋根の塗装工事のよくある質問を3つ紹介します。

・屋根塗装にはいくらくらいかかる?
・屋根塗装の工期はどのくらい?
・屋根の塗装を考えるタイミングはいつ?

どういうことか、詳しく見てみましょう。

屋根塗装にはいくらくらいかかる?

屋根の塗装工事のみの場合は60〜80万円が目安です。

塗装工事以外にシーリング費用・付帯塗装・消費税・諸経費などが加わるため、予算は余裕を持ってみておくことをおすすめします。

屋根塗装の工期はどのくらい?

屋根塗装の工期は、おおよそ7~14日ほどです。

ただし屋根面積や塗料、工事期間中の天候、現場周辺の環境などにより工期が前後する可能性があります。

屋根の塗装を考えるタイミングはいつ?

新築ではじめて屋根塗装を実施する場合は、5〜15年ぐらいが目安になります。

2回目以降は塗料の耐用年数によります。

主な屋根塗料と耐用年数は下記のとおりです。

・シリコン塗料:4〜9年
・フッ素塗料:6〜14年
・無機塗料:12〜14年

上記を参考に塗装工事のタイミングを検討することをおすすめします。

ただし雨漏りなどの不具合を発見した場合は、上記年数に満たなくても業者に相談しましょう。

工程を理解して屋根塗装を依頼してみよう

本記事では屋根の塗装工事の工程や注意すべきポイントについて解説しました。

屋根を塗装するには複数の工程を順番にこなしていく必要があります。

どの工程も重要なもので、少しでも手抜きがあると雨漏りが発生したり屋根材がすぐに劣化したりします。

屋根の塗装は知識のない人が行うには難しいものなので、業者へ相談するのがおすすめです。


スレート屋根は塗装が必要!費用の相場や塗料の選び方を解説

「スレート屋根は塗装が必要って聞いたけど本当なの?」
「塗装せずにいたらどうなるの?いくらかかるの?」

このような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。

スレート屋根の塗装は劣化するものなので、定期的な塗り直しが必要です。

本記事ではスレート屋根の塗装が必要な理由や、塗装せずに放置することで発生する問題を解説しています。

塗装にかかる費用や塗料の選び方も解説していますので、気になる方はぜひ最後までご一読ください。

スレート屋根の塗装が必要な理由

スレート屋根の塗装は外観をきれいにするためだけでなく、防水性を保つためにも欠かせません。

スレート屋根はどのような特徴があるか、塗装しないとどのような問題が発生するか解説します。

スレート屋根とは

スレート屋根とは、粘土板を薄い板状にした屋根材のことです。

家屋で主に使われているのは「化粧スレート」と呼ばれる種類で、セメントを主成分としています。

スレート屋根の魅力は、瓦や金属に比べて軽くて安価なことです。

カラーバリエーションが豊富なうえ、平型や波型などデザインも充実しています。

しかしスレート屋根は防水性が高くありません。

主成分であるセメントは、水を吸うと膨らみ乾くと縮むという性質を持っています。

膨張と収縮を何度も繰り返すと、屋根材そのものがひび割れてしまうのです。

スレート屋根を塗装せずにいると発生する問題

スレート屋根を塗装せずに放置していると、雨漏りや凍害の発生につながります。

先ほども述べたように、スレート屋根は防水性が弱いです。

塗装が劣化したスレート屋根は雨水を吸収しやすくなります。

雨水が気温の変化によって膨張・収縮を繰り返し、スレート屋根にひび割れ(いわゆる凍害)が発生してしまいます。

ひび割れた隙間から雨水が侵入すると屋根の下に敷いている下地が劣化し、雨漏りが発生してしまうのです。

雨漏りや凍害を防ぐためには、屋根材が雨水を吸収しないよう塗装することが大切です。

スレート屋根の塗装を考えるタイミング

スレート屋根を塗装するタイミングの目安は下記のとおりです。

・耐用年数に達した
・色が褪せてきた
・塗装が剥げてきた
・カビやコケ、藻が発生した
・釘が抜けてきた

1つずつ詳しく解説します。

耐用年数に達した

屋根塗料には耐用年数が定められています。

主に使用される屋根塗料の耐用年数は下記のとおりです。

・シリコン塗料:4〜9年
・フッ素塗料:6〜14年
・無機塗料:12〜14年

上記はあくまでも目安です。

日が当たる時間や降水量などの環境によって劣化のスピードは前後します。

塗装の塗り替え時期を見極めるのは簡単ではないため、耐用年数が近くなったら業者に相談するのがおすすめです。

色が褪せてきた

塗装の劣化を見極めるポイントのひとつとして、色褪せが挙げられます。

紫外線の影響で顔料が浮いてしまうことにより、屋根の塗装が色褪せてしまいます。

特に直射日光が当たりやすい場所は、日陰となる場所に比べて色褪せしやすいです。

屋根の色が褪せていると、外観の美しさを損なうだけでなく屋根材も脆くなってしまいます。

塗装が剥げてきた

塗装が剥がれたら屋根の塗り直しを考えましょう。

スレート屋根の塗装が剥がれる原因として、施工不良と経年劣化が考えられます。

塗装してから数年しか経っていない場合、施工不良が発生しているかもしれません。

業者の技術力が未熟だったり悪徳業者による手抜き工事があったりした場合は、耐用年数を待たずに塗装が剥がれることがあります。

もちろん適切な工程で塗装されていても、経年劣化によって剥がれてしまうものです。

塗装の剥がれを放置すると、屋根全体が劣化する原因となります。

カビやコケ、藻が発生した

塗装の防水性がなくなってくると屋根にカビやコケ、藻が発生することもあります。

乾燥すると屋根が黄色や茶色っぽくなるため、一見さびているように感じるかもしれません。

問題を放置するとスレート屋根そのものの劣化を早めてしまい、簡単に割れてしまうほど脆くなることがあります。

屋根の重ね葺きや葺き替えが必要になる前に、カビや汚れなどをきれいに取り除いたうえで再塗装を依頼しましょう。

スレート屋根の塗料の選び方

スレート屋根に使われる塗料を選ぶ時は、下記のポイントをチェックしましょう。

・耐用年数
・機能
・色
・価格

塗装してから「違う塗料にすればよかった」と後悔しないよう、事前に上記ポイントを確認することをおすすめします。

耐用年数

スレート屋根に使われる塗料は大きく分けるとシリコン、フッ素、無機の3種類あり、それぞれ耐用年数が異なります。

・シリコン塗料:4〜9年
・フッ素塗料:6〜14年
・無機塗料:12〜14年

できるだけ塗り替える頻度を少なくしたい方は、耐用年数が長い無機塗料を選ぶのがおすすめです。

ただし耐用年数が長い塗料ほど、価格はやや高めになります。

機能

屋根塗料には特殊な機能を持った製品も多く発売されています。

代表的な機能は下記のとおりです。

・遮熱性
・断熱性
・防汚性
・防カビ性
・防藻性

例えば夏の暑さに悩んでいるなら、太陽光を反射して室温の上昇を軽減する、遮熱性がある塗料を選ぶのがおすすめです。

どのような機能を持つ塗料が良さそうか迷ったら、まずは業者と相談してみましょう。

塗料によって選べる色にも違いがあるため、カラーバリエーションも確認しておきたいポイントです。

可能であれば見本や実際の施工事例の写真を見せて貰えないか業者に相談してみましょう。

カラーシミュレーションを活用するのもおすすめです。

価格

選ぶ塗料によって価格も大きく変動します。

一般的には耐用年数が長くて特殊機能が備わっているほど高くなります。

1平方メートルあたりの価格の目安は下記のとおりです。

・シリコン塗料:2,300〜3,500円/平方メートル
・フッ素塗料:3,500〜5,000円/平方メートル
・無機塗料:3,500〜5,500円/平方メートル

安い塗料を選んで塗り替えの頻度が多くなると、トータルでかかる費用が高くなってしまう場合もあります。

目先の安さだけで選ぶのではなく、予算と照らし合わせつつ、将来的に必要となる出費も考慮して決めるのがおすすめです。

スレート屋根の塗装にかかる費用の相場

スレート屋根の塗装にかかる費用の相場は、約30坪ほどの住宅の場合で60〜80万円です。

ただしシーリング代など、塗装作業に必要な諸経費は別途かかります。

屋根の面積や塗料の種類および量、現場の環境などによっても費用は変動します。

正確な費用を把握したい場合は業者に見積もりを依頼しましょう。

スレート屋根を塗装するときの注意点

スレート屋根を塗装する際の注意点は3つあります。

・塗装が不要なケースもある
・信頼感のある業者へ依頼する
・自分で塗装せず業者に頼む

塗装の効果を十分に発揮するためにも抑えておきたいポイントなので、1つずつ詳しく解説します。

塗装が不要なケースもある

スレート屋根の中でもノンアスベスト屋根なら塗装は必要ありません。

ノンアスベスト屋根とはアスベストを含んでいない屋根のことです。

主に1996〜2008年の間に作られていました。

ノンアスベスト屋根そのものの寿命が10年前後なので、塗装しても屋根の寿命がすぐにきてしまいます。

上記の理由から、基本的にノンアスベスト屋根は塗装不要です。

信頼感のある業者へ依頼する

悪質な業者に依頼すると、手抜き工事されたり法外な料金を請求されたりというトラブルに発展する恐れがあります。

例えば、塗装の際に縁切りをしてもらえないケースがあります。

縁切りとは、塗料が乾いたときに塞がってしまう屋根の隙間の塗膜を切る作業のことです。

隙間が埋まっていると雨水が溜まりやすくなり雨漏りの原因となってしまいます。

業者に依頼する際は下記の3点を確認しておきましょう。

・長年営業しているか
・ネットの口コミは良いか
・担当者の対応は丁寧か

やり取りをしていて違和感があったら、別の業者に相談してみるのもおすすめです。

自分で塗装せず業者に頼む

自分でスレート屋根を塗装するのはおすすめしません。

自分で屋根を塗装することもできますが、塗料の効果を十分に発揮する適切な作業を行う必要があります。

また屋根に登っての作業は落下の危険も伴います。

塗料の効果を十分に発揮させるため、そして事故のリスクを避けるために、屋根の塗装は業者に依頼しましょう。

スレート屋根は定期的に塗装するのがおすすめ

スレート屋根の防水性を保つためには、定期的な塗装が欠かせません。

塗装の劣化を放置していると、雨漏りや凍害につながってしまう可能性があります。

被害が大きくなると屋根の全面的な交換が必要になる恐れがあるなど、塗装よりも費用がかかってしまいます。

屋根の劣化を少しでも感じたら業者に相談してみましょう。


屋根塗装におすすめの塗料は?塗り替えを検討したい時期や費用相場を解説

「そろそろ屋根の塗り替え時期が近づいているけれど、すぐにしなければいけないの?」
「屋根の塗料は、どうやって選べばいいのだろう?」

このように悩んでいる人に向けて、本記事では屋根の塗り替えに最適な時期や屋根の塗装におすすめの塗料を紹介します。

屋根塗装は適切な時期に、用途に合わせた塗料を使用することが大切です。

さっそく屋根塗装におすすめの塗料とその性能、耐用年数を解説します。

代表的なおすすめ屋根用塗料

屋根用の塗料として代表的なものは下記の3種類が挙げられます。

・シリコン塗料
・フッ素塗料
・無機塗料

屋根用の塗料は機能性の違いを理解して選ぶことが大切です。

屋根は外壁と比べて太陽光が当たりやすいため、外壁より耐用年数が短い傾向にあります。

屋根塗料の耐用年数も、選ぶうえで重要視したいポイントです。

シリコン塗料

シリコン塗料は機能と価格のバランスが良く、コストパフォーマンスに優れた塗料として重宝されています。

シリコン塗料は耐水性・耐熱性が高く、すぐに塗装が剥がれることはありません。

塗膜が硬くて水を弾く機能にも優れているので、屋根が劣化しにくいという特徴もあります。

カラーバリエーションも豊富なので、屋根の色にもこだわりを持っている人にはおすすめの塗料です。

シリコン塗料の耐用年数は4〜9年です。

フッ素塗料

フッ素塗料は耐用年数が6〜14年と長いことから、メンテナンスの頻度を下げたい方やお手入れの時間が取れないという方におすすめの塗料です。

フッ素塗料は水がかかった時に水滴にならず膜のように広がってすぐ流れるなど、親水性が高いです。

親水性が高いと雨水と一緒に屋根の汚れを流してくれるので、メンテナンスの手間がほとんどかかりません。

フッ素塗料は撥水性能も高く、塗膜が強固なのもポイントです。

無機塗料

無機塗料はシリコン塗料、フッ素塗料に比べても長持ちすると言われており、塗り替えを頻繁にしたくないという方におすすめの塗料です。

無機塗料の無機とは「無機物」のことです。

「無機物」は紫外線が当たり続けても劣化しにくく、無機塗料はその強みを存分に生かした塗料となっています。

無機塗料は静電気が起こりにくいため汚れやホコリが付着しにくかったり親水性があったりと、機能性の高さが魅力です。

他の塗料に比べると値は張りますが、予算が十分に確保できればメンテナンスの手間は大幅に削減できるメリットがあります。

無機塗料の耐用年数は12〜14年です。

屋根塗装や塗り替えが必要な時期

屋根塗料の耐用年数は、新築で10年前後が目安です。

屋根はご自身の目で状態を確認することが難しく、塗り替えの必要な時期を逃しがちになります。

雨風や紫外線の影響を受けやすい屋根は、外壁と比べても耐用年数が短い傾向にあります。

家の機能を保ち長く快適に暮らすために、定期的な屋根塗装は必要不可欠です。

屋根の塗装の種類によっても異なりますが、10年を目処に屋根塗料の塗り替えを考えましょう。

屋根塗装によって得られる効果や機能性

屋根塗装の様子

屋根の保護や景観維持のほかにも、塗装には必要な機能があります。

代表的な3つの塗料について、機能とともに解説します。

・遮熱塗料
・断熱塗料
・光触媒塗料

お住まいの環境により最適な塗料も異なるので、どの塗料を使用するかは業者と相談しながら決めるのがおすすめです。

遮熱塗料

夏など外気温の影響で室内が暑くなりやすい家に、遮熱塗料はおすすめです。

屋根の表面温度が高くなると、その熱は天井をとおりぬけて室内温度を上昇させます。

遮熱機能のある塗料を屋根に塗ると、室内温度が上昇する原因となる赤外線を反射して、屋根の表面からの温度上昇を抑制してくれるのです。

遮熱塗料のおかげで室内環境が快適になり、エアコンなど冷房機器の光熱費削減にもつながるといったメリットがあります。

断熱塗料

断熱塗料には熱が伝わりにくいという性質があります。

屋根からの熱が室内に伝わりにくくなるだけでなく、室内暖房の熱も外に逃げづらくなります。

夏と冬、どちらの季節も快適に過ごしやすいです。

光触媒塗料

光触媒塗料は塗料に含まれる成分が紫外線に反応することで、屋根に付着した汚れを分解してくれるという優れた機能を持っています。

雨が当たると汚れを洗い流してくれるので長期的にも汚れがつきにくく、メンテナンスの手間がかかりません。

耐用年数が長いことから塗り替えの回数が少なく、コストパフォーマンスにも優れています。

メンテナンスの回数や塗り替えの回数を少しでも少なくしたいという人におすすめの塗料です。

屋根塗装の費用相場

屋根塗装の費用相場は30坪ほどの住宅で60〜80万円程度です。

ただし上記以外にシーリング代などの諸経費が加わるうえ、現場周辺の環境や使用する塗料によっても前後します。

上記費用はあくまで目安として考えましょう。

次は、お得に屋根塗装を依頼する方法や、ご自身で屋根塗装を行うべきではない理由をご紹介します。

お得に屋根塗装を行う方法

屋根と同時に外壁も塗装することで、少しお得に業者へ依頼できます。

屋根塗装はもちろん外壁塗装でも足場の設置が必要です。

そのため外壁塗装と同じタイミングで屋根塗装を行うことで、足場の設置が1回で済むためその分お得になります。

ただし屋根塗装のみ行う場合と比較すると、「屋根+外壁」の塗装を依頼する場合の費用が高いです。

・屋根塗装のみ:60〜80万円
・外壁塗装のみ:70〜110万円
・屋根+外壁塗装:110〜160万円

外壁を塗装する必要がない場合や一回あたりの支払い費用を安くしたい人は、屋根塗装のみ依頼することをおすすめします。

DIYは避けるべき

屋根塗装の費用を抑えるためにDIYを実施するのはおすすめできません。

ホームセンターなどで販売されている塗料は購入しやすいですが、ムラなく塗るのは慣れない人には難しいものです。

塗りムラが発生すると塗料本来の性能が発揮できず、耐用年数も短くなりやすいです。

また屋根塗装は高所での作業となるため、慣れない屋根の上での作業は大きな怪我につながる危険性もあります。

屋根塗装は業者に依頼するのが確実です。

屋根塗装をしないと発生する不具合

「お金をかけたくないから、屋根塗装は先延ばしにしよう」といった自己判断は危険です。

必要な時期に屋根塗装を行わないと、屋根だけではなく家全体の寿命が短くなることにもつながります。

・屋根が反り上がる場合がある
・雨漏りが発生する可能性がある
・家の景観を損ねてしまう

屋根塗装を怠ると発生する可能性のある上記のリスクについて、詳細を見てみましょう。

屋根が反り上がる場合がある

屋根塗装を怠ると、屋根の塗膜が劣化したまま雨風や紫外線の影響を受けます。

それにより屋根材が傷んだり欠けたりといった不具合が発生し、屋根自体が水を含むようになります。

屋根が水を含むようになると気温差で反り上がる可能性もでてくるのです。

屋根が反り上がることで浮きやひび、割れなどに繋がり、想定外の屋根修理のコストや手間が発生する恐れがあります。

スレート屋根は反りが発生しやすく、日本瓦を採用している屋根はズレが発生しやすいので、不具合が発生していないかこまめにチェックしましょう。

雨漏りが発生する可能性がある

屋根の塗膜が劣化すると防水性が低下し、雨漏りの発生リスクにつながります。

防水性が低下すると屋根材が脆くなり破損する可能性が高まります。

屋根材の下には防水シートがありますが万能ではありません。

屋根材の劣化を放置すれば防水シートもやがて劣化し、防水機能が弱くなってしまうのです。

屋根材の劣化は雨漏りへと繋がり、雨漏りは家の構造を腐らせてしまうため、大きな修理が必要となります。

さらにシロアリは湿った木材を好むという習性があるので、雨漏りで湿気を含んだ構造はシロアリが繁殖しやすい環境となってしまいます。

屋根の塗装を行うことは、雨漏りを防ぐことはもちろん、シロアリの繁殖を防ぐ意味でも重要なのです。

家の景観を損ねてしまう

屋根塗装の必要性は、機能面に限ったことではありません。

家の景観を守るためにも、屋根塗装は重要な役割を果たします。

屋根塗装を行わず放置すると経年劣化による色褪せのほか、汚れ、苔(コケ)、カビが発生しやすくなります。

また北面の屋根表面は日が当たりにくいので湿った状態になりやすく、劣化が進みやすいです。

屋根は家の中から見えない場所ですが、外観として人の目に触れることも少なくありません。

景観悪化は治安にも影響を及ぼす危険性もあるので、適切な屋根塗装を行いましょう。

屋根塗料の機能性を知り後悔のない選択をしよう

本記事では屋根塗装の必要性や、おすすめの塗料を紹介しました。

屋根は普段から目にする機会が少ない場所なので、メンテナンスの手間が減らせる機能性の高い塗料や耐用年数が長い塗料を選ぶのがおすすめです。

劣化に気づきにくいうえに、気づいたときには予想以上に劣化が進んでいたというケースも少なくありません。

屋根塗装は新築後10年を目安に、適切なタイミングで行うことが大切です。

屋根に関する不具合が発生したらすぐに業者へ相談しましょう。


屋根の劣化を見逃すな!主な症状と補修方法、耐用年数を紹介

外壁は目視でチェックしていても、屋根の劣化状態まで確認したことがないという方は多いのではないでしょうか。

屋根は建物の中でも日光や風雨などによりダメージを受けやすい場所です。

屋根の劣化を早期発見したり、定期的なメンテナンスを実施したりすると、建物への深刻な被害を未然に防げます。

本記事では屋根の劣化症状や補修方法について説明していきます。

今までに一度も屋根の点検をしたことがない方や、メンテナンス方法を知りたい方はぜひご一読ください。

屋根の劣化症状5選

屋根には様々な劣化症状があり、それぞれの特徴を把握することが大切です。

5つの劣化症状を紹介します。

・色褪せの発生
・苔、藻、カビ、サビの発生
・ひび、割れ、欠けの発生
・ズレや反りによる隙間の発生
・雨漏りの発生

これらの劣化症状は一般的に補修が必要です。

1つずつ詳しく説明します。

色褪せの発生

屋根の劣化症状の1つに色褪せがあります。

スレートやセメントの屋根で発生しやすい色褪せは、劣化症状の中では初期段階といえます。

色褪せの発生原因は塗装の劣化です。

塗装は劣化すると雨水を吸収しやすくなるため、再塗装が必要になります。

軽い色褪せであればすぐに対応する必要はないので、経過観察でもまず問題はありません。

苔・藻・カビ・サビの発生

屋根の劣化症状には苔や藻、カビやサビの発生が挙げられます。

苔や藻、カビはスレート屋根に発生しやすく、サビはガルバリウム鋼板に発生しやすいのが特徴です。

屋根塗装は塗膜が劣化すると水分を含みやすくなり、苔や藻などの発生原因となります。

また日光が当たりにくい面は特に発生しやすいので注意が必要です。

苔や藻などは屋根材を腐食する可能性もあるので、発見したら高圧洗浄などで早めに除去しましょう。

ひび・割れ・欠けの発生

スレート屋根やセメント屋根で発生しやすいのがひびや割れ、欠けの症状です。

ひびは経年劣化により発生するケースが多いです。

他には屋根材が水分を含んで乾燥することで収縮・膨張を繰り返し、ひびや割れが発生するというケースもあります。

ひびや割れ、欠けがあれば塗装の前にコーキングでの補修が必要です。

放置すると雨水が浸入し屋根材の劣化や雨漏りに繋がるので、ひびや割れ、欠けを発見したら早めに対応しましょう。

ズレや反りによる隙間の発生

屋根はズレや反りにより隙間が発生するケースがあります。

日本瓦の屋根は地震や台風などでズレることがあり、反りはスレート屋根に多く発生する症状です。

ズレや反りの発生は隙間から雨水が浸入してしまい、屋根材の劣化や雨漏りに繋がります。

台風などの自然災害があった後は屋根の状態を確認してみてください。

雨漏りの発生

雨漏りは屋根の劣化症状の中でも深刻な症状の1つです。

屋根から雨漏りが発生すると内部にまで浸透する可能性があり、結果的に建物の寿命を縮めます。

また建物内部でカビの発生原因にもなり、健康被害に及ぶ危険もあります。

雨漏りの発生は屋根に入った亀裂や屋根材の隙間からの雨水浸入などが原因です。

雨漏りによる深刻な被害を防ぐためには、屋根の小さな劣化症状を見逃さないことが大切です。

屋根の劣化を補修する方法

屋根の劣化を放置すると深刻な症状に繋がりかねないので、適切なタイミングで補修を実施することが大切です。

屋根の補修にはいくつかの方法があります。

・屋根塗装による補修
・カバー工法による補修
・葺き替えによる補修

1つずつ詳しく説明します。

屋根塗装による補修

屋根の塗膜の劣化は再塗装すると補修できます。

屋根の塗装は劣化すると水分を含みやすくなりますが、再塗装を行うと再び防水性能が高まります。

屋根塗装にかかる費用は一般的な30坪程度の住宅で60〜80万円です。

屋根塗装は屋根材に問題がない場合だけ可能です。

屋根材自体が劣化している場合は塗装での補修だけでは不十分ですので、交換を検討してみてください。

カバー工法による補修

現状の屋根材をカバーする形で補修する方法がカバー工法です。

カバー工法は屋根材が劣化していて、塗装では補修できないケースで有効です。

カバー工法の費用相場は一般的に60〜150万円程度になります。

屋根塗装を行うよりも若干高くなりますが、葺き替えよりは安価です。

葺き替えによる補修

葺き替えとは屋根材を交換する作業のことで、屋根を新品にして新たに防水性能を高めます。

雨漏りが発生している時など、現状の屋根材が使用できない場合に有効です。

葺き替えの費用相場は新たに取り付ける屋根の素材により変化しますが、一般的に70〜240万円程度になります。

屋根の補修方法の中では最も高額ですが、交換後の耐用年数が長くなるというメリットもあります。

屋根の種類別耐用年数と特徴

屋根には様々な種類があり、それぞれ耐用年数や特徴が異なります。

・スレート
・ガルバリウム鋼板
・セメント
・日本瓦

これらの屋根材について詳しく説明します。

スレート

スレートは一般的な住宅に多く使用されている屋根材です。

スレート材の商品としては、「コロニアル」が普及しています。

スレート屋根は再塗装による補修が多いですが、ひび割れなどが多く発生している場合はカバー工法による補修も可能です。

また棟板金というスレート屋根の頂上にある金属の劣化にも気をつけましょう。

スレート屋根の耐用年数は20〜30年程度になります。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は金属の一種で、近年屋根材に多く使用されています。

以前の金属製の屋根といえばトタンでしたが、サビが発生しやすいという弱点がありました。

トタン屋根のデメリットを克服し、サビに強くなったのがガルバリウム鋼板です。

ガルバリウム鋼板の耐用年数は20〜40年程度です。

セメント

屋根材の中にはセメントを使用して作られているものもあります。

セメント屋根はセメントに川砂を混ぜて作っており、加工や施工が容易というメリットがあります。

またデメリットは衝撃により割れやすいという点で、経年劣化による塗装も必要です。

セメント屋根の耐用年数は25〜40年です。

日本瓦

日本瓦は粘土で作った瓦で古くから日本の住宅の屋根に使用されています。

強度が高くて割れにくいというのが、日本瓦の特徴です。

また断熱性にも優れ、夏は涼しく冬は暖かいという環境を実現できます。

日本瓦は塗装の必要もないため、メンテナンス性にも優れています。

日本瓦の耐用年数は50〜100年程度です。

屋根の劣化についてよくある質問

屋根の劣化についてよくある疑問点を紹介します。

今後屋根のメンテナンスを考えている方は参考にしてみてください。

屋根の劣化原因は?

屋根は日光による紫外線や風雨により劣化します。

また経年劣化によっても劣化が発生し、苔や藻、カビの発生原因になります。

屋根の劣化は建物全体の寿命にも影響するので、早めの対応を心がけましょう。

屋根の補修は自分でできる?

屋根の補修はDIYでも可能ですが、あまりおすすめできません。

高所での作業は専門業者でも危険が伴う作業です。

またDIYの技術力も未知数なため、適切な補修が行えるかの疑問も残ります。

補修方法としては、コーキングや防水テープの使用などがあります。

屋根補修の相場は?

屋根塗装は一般的な住宅で60〜80万円程度です。

屋根のカバー工法は60〜150万円程度、葺き替えは70〜240万円程度となります。

屋根の劣化症状を見極めて、適切な補修方法を見つけ出してみてください。

屋根の劣化状態を見極めて適切な補修を行おう

屋根は外壁と同じくらい建物を守るうえで大事な部分です。

普段は見る機会が少ないため、劣化を発見しにくい場所でもあります。

屋根には様々な劣化症状があり放置すると深刻な症状に繋がる可能性もあるため、適切な対応が必要です。

また屋根材も数種類あり、それぞれ発生しやすい劣化症状は異なります。

外壁の状態が気になり始めたら同時に屋根の点検も行うと、劣化の早期発見に繋がります。

屋根の劣化状態を正しく認識して適切な補修を行いましょう。


屋根塗装の色はどう選ぶ?プロが失敗しないポイントについて解説


「屋根塗装をしたいけど何色にしたらいいだろう?」
「汚れが目立ちにくく、できるだけ長い間美観を保てる色を知りたい」

屋根塗装を考えているけれど色選びで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事では屋根塗装の色選びでのポイントを紹介します。

屋根の色は外壁とのバランスや周囲との調和、メンテナンスにも影響するため失敗は避けたいものです。

多くの人に選ばれる人気の色やおすすめできない色についても解説しますので、屋根の塗装を検討中の方はぜひご一読ください。

屋根塗装の色選びで失敗しないためのポイント

屋根を塗装する際の色は、外観のバランスや景観との調和を考慮しながら慎重に選ぶ必要があります。

屋根塗装の色選びで失敗しないためのポイントは下記の4つです。

・外壁との相性を考慮する
・周囲の景観と調和するかイメージする
・汚れや色褪せなどに配慮する
・面積効果や屋外での見え方に注意する

色選びのポイントをおさえて満足のいく屋根の塗装工事を実施しましょう。

1つずつ解説します。

外壁との相性を考慮する

屋根塗装の色選びでは、外壁との相性を考慮することが大切です。

相性を考えずに外壁と屋根どちらも好きな色を選ぶと、バランスが悪くなってしまう可能性があります。

屋根の色で悩んだときは、外壁と屋根の色を同系色で合わせると失敗しにくいです。

外壁との相性で悩んだ場合は、カラーシミュレーションの活用もおすすめです。

ただし、カラーシミュレーションは実際の見え方とは異なる場合があるため、最終的には試し塗りなどで色を確かめるようにしましょう。

周囲の景観と調和するかイメージする

屋根の色が周囲の景観と調和するかどうかも、塗装する際に注意したいポイントです。

周囲の家や街並みと調和がとれない色を選択すると景観を損ねてしまいかねません。

奇抜な目立つ色はできるだけ避け、周囲と同じような馴染みやすい色を選択した方が無難です。

汚れや色褪せなどに配慮する

屋根を塗装する際の色選びでは、汚れや色褪せにも配慮するとメンテナンスの手間を最小限に抑えられます。

屋根は雨風や砂埃による汚れが付着するものです。

汚れが目立つ色を選択してしまうと外観が悪くなりやすいです。

たとえば白など明るい色は汚れが目立ちやすいため、メンテナンス性を考えるとあまりおすすめはできません。

赤や青など鮮やかな色は色褪せがしやすい色なので、次回の塗り替え時まで美観を維持したい方は避けることをおすすめします。

メンテナンス性を考慮して汚れや色褪せが目立ちにくい色を選択したい場合は、グレーやブラウンがおすすめです。

面積効果や屋外での見え方に注意する

屋根を塗装する際には、色の面積効果と日の当たり方による色の見え方に注意が必要です。

面積効果とは、同じ色でも塗り面積の大きさによって色が違って見える、目の錯覚のことです。

面積効果が原因でサンプルを見た時と実際に屋根に塗った時の色が違って見え、思っていた印象と違うと感じてしまう人もいます。

屋根は屋外で太陽に当たりやすい部分のため、日の当たり方で色が違って見える場合もあります。

このような失敗を防ぐには、気に入った色の1トーン明るい色と暗い色も候補に入れて、サンプルを用意してもらうと比較しやすいです。

サンプルはできるだけ大きなものを天気がいい日の屋外で見ると、面積効果による印象のズレを防止しやすくなります。

屋根の塗装でおすすめの色

屋根の塗料でおすすめの色は下記のとおりです。

・ブラック
・グレー
・ブラウン
・グリーン

上記の色がおすすめの理由や選ぶメリット、その色の特徴などを1つずつ解説します。

ブラック

ブラックの屋根はおしゃれで高級感ある仕上がりとなるため、多くの家で採用されています。

和風洋風問わず、色やデザインなど幅広く相性がいいことも人気の理由です。

ブラックの屋根は破風板や雨戸などの付帯塗装部分の色もブラックに合わせることで、さらに重厚感のある仕上がりとなります。

ただし黒は熱を吸収しやすいため、漆黒に近い屋根色は室内温度があがりやすくなります。

住宅の屋根材や形状、断熱性などを考慮したうえで採用を検討しましょう。

グレー

グレーの屋根は外壁との馴染みもよく機能面でも魅力的です。

グレーはブラックよりも明るいため熱を吸収しにくく、室内温度の上昇を抑えられます。

汚れや色褪せも目立ちにくいため、長期間美観を保ちやすい色です。

メンテナンスの手間を最小限に抑えたい場合はグレーの屋根が適しています。

ただしグレーを採用している家は多いため、個性を出したい場合は少し物足りなく感じてしまう色でもあります。

ブラウン

ブラウンの屋根は、落ち着きのある外観に仕上げたい方におすすめです。

ブラウンはさまざまな色やデザインとも相性がいいため、外壁だけではなく周囲の自然環境にも調和します。

またブラウンは色合いによって印象が大きく異なるため、ほどよく個性を出したい方にもおすすめです。

ダークブラウンなど暗めの茶色は、重厚感があり落ち着きのある印象を与えます。

一方で赤みの強いブラウンは、おしゃれで明るい印象の家に仕上がります。

グリーン

グリーンの屋根は自然が多い環境でも馴染みやすい色です。

グレーやブラウンよりも外壁との相性は難しくなりますが、上手く組み合わせるとおしゃれで個性的な仕上がりとなります。

グリーン屋根は、ホワイトやベージュなど明るい色の外壁と比較的相性がいいです。

グリーンはコケやカビなどの汚れが目立ちにくい色であるため、湿気の多い地域にもおすすめです。

モスグリーンのようなグレーがかったグリーンは砂埃なども目立ちにくいため、美観を保ちたい方に適しています。

屋根の塗装におすすめできない色

屋根塗装の色には、できれば避けたほうがいいような、おすすめできない色もあります。

おすすめできない色は下記のとおりです。

・赤や青などの原色
・ホワイト

おすすめできない色と理由も併せて、1つずつ解説します。

赤や青などの原色は色褪せしやすい

屋根塗装では、赤や青などの原色系の色はおすすめできません。

原色を採用する最大のデメリットは、色褪せが目立ちやすいことです。

屋根塗装が色褪せてしまうと、家全体が古びた印象になってしまいます。

原色の色を採用し美観を保ちたい場合は、数年ごとに塗り直しを行う必要がありメンテナンスが大変です。

また原色系の色は周囲の家や街並みとの調和が取りにくく、悪目立ちしてしまう恐れがあります。

原色の屋根は個性を出しやすいため魅力的な色ではありますが、採用するかは慎重に考えることをおすすめします。

ホワイトは汚れが目立ちやすい

屋根塗装ではホワイト系の色もあまりおすすめできません。

屋根は年中雨風や砂埃にさらされているため、とても汚れがつきやすい部分です。

ホワイトを採用すると汚れが悪目立ちしてしまい、外観が悪くなってしまいがちです。

一方でホワイトは遮熱効果が高いため、夏でも室内温度が上がりにくくなるメリットもあります。

汚れが目立ちにくく遮熱効果が高い屋根に仕上げたい場合は、ライトグレーなど明るい色の採用を考えてみましょう。

屋根塗装の色に関するよくある質問

屋根塗装の色に関するよくある疑問は下記のとおりです。

・屋根塗装を考えるタイミングはいつ?
・屋根塗装にはいくらぐらいかかる?
・カラーシミュレーションを使用する際の注意点は?

疑問を解決し、後悔のない屋根塗装の色選びを行いましょう。

屋根塗装を考えるタイミングはいつ?

屋根塗装は、5〜14年を目安に実施するのがおすすめです。

屋根の素材や塗料によって耐用年数が異なります。

塗料によっての耐用年数の目安は、下記のとおりです。

・シリコン塗料:4~9年
・フッ素塗料:6〜14年
・無機塗料:12〜14年

ただし屋根の塗り替えは見た目では判断しづらく、そもそも高所で確認しにくいため、専門家に見てもらうことをおすすめします。

屋根塗装にはいくらぐらいかかる?

約30坪ほどの住宅であれば、屋根塗装のみで60〜80万円が目安です。

タイミングが合えば、外壁塗装と屋根塗装を同時に行うと足場設置が1回で済むため、別々に依頼するよりもお得に施工できます。

ただし塗装面積や塗装部分の形状、住宅周辺の環境などによっては費用が目安よりも高額になる場合もあります。

詳しい費用を知りたい場合は業者に見積もりを依頼しましょう。

カラーシミュレーションを使用する際の注意点は?

カラーシミュレーションは実際の色とは見え方が異なる点に注意が必要です。

外壁の質感や日の当たり方までカラーシミュレーションでは再現できないため、実際の色とは見え方が違ってしまいます。

カラーシミュレーションを活用する場合でも、最終的にはサンプルや試し塗りなどで色を確かめることをおすすめします。

屋根塗装の色選びで悩んだらプロに相談がおすすめ

今回は屋根塗装の色について解説しました。

屋根塗装の色は頻繁に塗り替えるものではないため、自分が気に入った色を選択することが大切です。

しかし家全体のバランスや周囲との調和、メンテナンス性などを総合的に考慮しながら色を選ばないと後々後悔してしまう可能性があります。

そのため屋根塗装は、イメージ通りの仕上がりとなるよう、慎重に色選びを行う必要があります。

似たような色でも塗料によって特徴が異なる場合も多いため、色選びで悩んだ際には業者に相談するのがおすすめです。


遮熱塗料は暑さ対策に有効!効果やデメリット、おすすめ商品を紹介

遮熱塗料は屋根の暑さ対策として、一軒家はもちろん工場などでも使われているものです。

「本当に効果があるのか」や「デメリットはないのか」といったことが気になり、利用するか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、遮熱塗料のメリットやデメリットを解説したうえで、おすすめの商品を紹介します。

断熱塗料との違いや価格の目安もまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

遮熱塗料とは

遮熱塗料とは、太陽光を反射して赤外線の吸収を抑え、建物内が暑くなるのを和らげる塗料のことです。

正式名称は「高日射反射率塗料」といいます。

一般的な塗料は赤外線(太陽光)を吸収してしまうため、室温の上昇を招いてしまいます。

その結果、冷房効率が悪くなり電気代がかさんでしまうケースも珍しくありません。

しかし遮熱塗料を屋根や外壁に利用することで、太陽光の吸収を抑えて室温の上昇を防げます。

そのため遮熱塗料は夏の暑さ対策として選ばれているのです。

屋根に遮熱塗料を使って得られる効果

屋根塗装の様子

屋根に遮熱塗料を使うことで次の効果を得られます。

・室内温度の上昇を抑えられる
・冷房の電気代を節約できる
・熱による屋根の劣化速度を遅くする

暑さ対策以外の効果もあるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。

室内温度の上昇を抑えられる

遮熱塗料を屋根に使用することで建物内の温度が上昇しにくくなります。

遮熱効果のない塗料を使っている場合は、太陽光を吸収してしまうため、室内への熱の侵入を防げません。

その結果、室温が上昇してしまいます。

遮熱塗料なら太陽光を反射するため、建物の内部に熱が侵入しにくくなり、室温の上昇を抑えてくれるのです。

環境省が実施した調査では、屋根の表面温度を7.6度、室温を1.8度も抑制できていました。

この調査は8月に東京都で行ったものなので真夏でも効果があることがわかります。

冷房の電気代を節約できる

遮熱塗料を使って室温の上昇を抑えることで、冷房代を節約できます。

先ほども紹介した環境省による調査では、東京都で遮熱塗料を使うと1ヶ月で3,641円、6〜9月の4ヶ月間ではなんと11,736円の節電になるという結果が出ました。

例えば遮熱塗料の耐用年数が10年だった場合、塗料を一度塗れば単純計算で10万円以上も節約できることになります。

遮熱塗料を活用すれば冷房に使用する電力を減らせるため節電効果があります。

熱による屋根の劣化速度を遅くする

遮熱塗料を塗ることで屋根の劣化を遅くする効果もあります。

屋根は紫外線の影響を受けやすく、直射日光に当たることで劣化が進みやすいです。

気づいたときには劣化が進み、雨漏りによって建物全体の寿命を縮めかねません。

遮熱塗料は太陽光を反射するため、熱による屋根の劣化を遅らせる効果が期待できます。

遮熱塗料のデメリット

暑さ対策として選ばれている遮熱塗料には下記のデメリットもあります。

・色によっては十分な効果が発揮されない
・塗装が劣化すると効果が持続しない
・断熱効果はない

遮熱塗料を使ったものの「思っていたような効果が得られない」とならないために、ぜひチェックしておきましょう。

色によっては十分な効果が発揮されない

遮熱塗料の遮熱効果は屋根の色によっても変わってきます。

そのため、色によっては室温が思ったほど下がりにくい場合もあります。

一般的には濃い色ほど熱を持ちやすくなるため遮熱効果が低くなり、室温が高くなりやすいです。

白や淡い色の上から暗い色の遮熱塗料を塗ると、遮熱効果が低下する可能性もあります。

遮熱効果を意識するなら、屋根はあまり暗すぎない色にするのがおすすめです。

またメーカーは色別に赤外線の反射率を公開しているので、数値を確認しながら利用する色を決めるという方法もあります。

最終的にどのような色の屋根にするかは業者と相談してみてください。

塗装が劣化すると効果が持続しない

遮熱塗料は一度塗れば効果が生涯続くわけではありません。

太陽光を反射するとはいえ、熱の吸収を完全に防げるわけではないため、熱によって劣化してしまいます。

雨風による劣化や汚れの付着によって、遮熱効果は少しずつ落ちてしまいます。

選ぶ商品によっても変わりますが、塗料の耐用年数を迎えたら再塗装がおすすめです。

断熱効果はない

遮熱塗料には断熱材のような、熱を伝わりにくくする働きはありません。

断熱材は外気の熱を室内に伝わらないようにするだけでなく、室内の熱を外に逃さないようにする効果もあります。

遮熱塗料には断熱材のような効果はないため、遮熱塗料(遮熱材)と併用して断熱材も使用することがあります。

断熱材と遮熱材を併用することで、冬は暖かく夏は涼しい環境を維持しやすいです。

おすすめの遮熱塗料

遮熱塗料はさまざまな商品が流通しており、どれを選べばいいかわからないという人もいるのではないでしょうか。

本記事では、おすすめの遮熱塗料を5つピックアップしました。

・超低汚染プラチナリファイン2000MF-IR
・サーモアイ4F
・ファインサーモアイウォール4F
・スーパーシャネツサーモsi
・シリコンREVO1000-IR

それぞれ特徴を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

超低汚染プラチナリファイン2000MF-IR

「超低汚染プラチナリファイン2000MF-IR」は、遮熱塗料のシェアNo.1メーカーであるアステックペイントの最高峰塗料です。

メーカーがランプを放射して行った実験では、一般的な塗料に比べて表面温度の上昇を約13.1度も抑えられました。

独自の技術により紫外線や雨への耐性が強化されているのが特徴です。

また、汚れがつきにくくなっているため、外観の美しさを保ちやすく、遮熱性の持続にも期待できます。

サーモアイ4F

「サーモアイ4F」は、日本ペイントが発売しているサーモアイシリーズのひとつです。

サーモアイシリーズは、高い反射性能を持つ塗料を下塗りにも採用することで、反射率を高めているのが特徴です。

その中で、サーモアイ4Fは耐候性や光沢保持性に最も優れています。

耐候性とは、太陽光や雨などの天候による劣化に対する耐久性のことです。

天候が要因の劣化に強いため、塗り替える頻度が少なく済みます。

スーパーシャネツサーモsi

「スーパーシャネツサーモsi」は耐候性が高く、色彩や光沢を長期間保てるのが特徴です。

特殊無機顔料を使うことで、近赤外線を効果的に反射できます。

一般的に熱を吸収しやすい明度が低い色でも、太陽光を反射させて室温の上昇を抑えられます。

黒や紺、緑などの色で高い遮熱性を持つ塗料を探している人におすすめです。

シリコンREVO1000-IR

「シリコンREVO1000-IR」は、アステックペイントが発売している外壁用の遮熱塗料です。

一般的なシリコン塗料に比べ、劣化に強い成分を約3倍も配合しています。

塗膜の表面に汚れがつきにくい構造の樹脂を採用しているため、見た目の美しさを保てるのも強みです。

ファインサーモアイウォール4F

「ファインサーモアイウォール4F」は、日本ペイントが発売している外壁用の遮熱塗料です。

遮熱性だけでなく耐候性、防カビ、防藻、透湿性にも優れており、建物を劣化から守ってくれます。

カラーバリエーションが豊富な点も特徴です。

標準色として用意されている28色に加え、色を混ぜ合わせて好みの色を作れます。

ツヤの調整もできるため、外観にこだわりたい人におすすめです。

遮熱塗料に関するよくある質問

遮熱塗料のよくある質問をまとめました。

・断熱塗料との違いは何?
・遮熱塗料の価格はいくら?
・遮熱塗料の耐用年数は何年?
・冬は寒くならない?
・どんな人におすすめ?

各疑問に回答します。

疑問を解消したうえで遮熱塗料を利用しましょう。

断熱塗料との違いは何?

遮熱塗料と断熱塗料は、利用する目的や得られる効果が違います。

遮熱塗料は太陽光を反射させるものです。

一方、断熱塗料は熱を伝わりにくくするものです。

どちらも室温の上昇を抑えられるという共通点はあります。

しかし、断熱材は外の熱を室内に伝わりにくくするだけで表面温度の上昇は避けられません。

寒さ対策にも使えるか、という違いもあります。

遮熱塗料は室温上昇を抑えるため夏には効果を発揮しますが、冬の寒さ対策には使えません。

断熱塗料は冬に室内の熱を外に逃さないという保温効果もあります。

どちらが優秀という序列はなく、目的によって使い分けることが重要です。

例えば暑さ対策として屋根に遮熱塗料を塗りつつ、壁には断熱塗料を塗るといった使い分けができます。

また遮熱塗料(遮熱材)と断熱材を併用することも可能です。

遮熱塗料の価格はいくら?

遮熱塗料の価格は、種類にもよりますがおおよそ2,700〜6,000円/平方メートルです。

塗料の種類によって価格は変わるうえ、塗装のための足場の組み立て費用など、施工会社によって合計費用は異なります。

自治体によっては遮熱塗料の塗装工事で助成金が降りることもあるので、かかる費用は住んでいる地域によっても変動します。

費用の詳細を把握したい場合は、業者に相談して見積もりを出してもらいましょう。

遮熱塗料の耐用年数は何年?

遮熱塗料の耐用年数は、使われている素材によって変わります。

主な素材の耐用年数は下記のとおりです。

・ウレタン塗料:5〜10年
・シリコン塗料:7〜15年
・フッ素塗料:12〜20年
・無機塗料:18〜20年

上記の年数は外壁に利用した場合のもので、屋根の場合は2〜6年ほど短くなる傾向にあります。

また、同じ塗料を使っていても、屋根の素材や天候によって劣化のスピードは変わるものです。

「できるだけ長く使える塗料を選びたい」という方は、業者に相談しながら使う塗料を選ぶのがおすすめです。

冬は寒くならない?

屋根に遮熱塗料を塗っても冬に寒くなる心配はありません。

寒い日でも太陽光を反射してしまうことは事実です。

しかし冬は太陽の位置が低く、横方向から太陽光が室内に入ってくるため室内が暖かくなりやすいです。

また屋根に遮熱塗料を塗っていても、外壁や窓から太陽光が入り室内を温めてくれるため「遮熱塗料が原因で寒くなる」というほどではありません。

寒さが気になる方は室内の熱が外に逃げないよう、断熱材や断熱シートの利用もおすすめです。

どんな人におすすめ?

遮熱塗料は下記のような人におすすめです。

・夏の暑さを和らげたい
・冷房代を安くしたい
・屋根の劣化を遅くしたい

暑さ対策として効果が大きいのは、日当たりのいい家や2階建て以上で吹き抜けがある一軒家です。

2階や3階の部屋が特に暑いという場合は、屋根から入ってくる熱が原因だと考えられます。

遮熱塗料で暑さが和らぐ可能性が高いので、ぜひ利用してみてください。

夏の暑さ対策には遮熱塗料がおすすめ

足場の風景

遮熱塗料は夏の暑さに悩んでいる方におすすめです。

室温の上昇を抑えることで冷房代の節約にもつながります。

塗料の種類や色によって効果が変わるので、まずは業者に相談してみましょう。

■関連記事
無機塗料とは?ほかの塗料との違いからメリット・デメリットまで解説


屋根塗装の時期とは?目安になる劣化状況や最適な時期を紹介

「屋根の塗装時期っていつ頃が良いの?」
「塗装時期の目安になるような劣化状況を知りたい」

このように屋根の塗装でお悩みの方へ向けて、本記事では屋根の塗装を考える時期やタイミング、メリット、費用などについて解説します。

屋根には耐用年数があるので、5〜15年で塗装をし直す必要があります。

屋根の塗装は春または秋、もしくは劣化症状が現れた際に考えるのがおすすめです。

劣化状況の目安についても詳しく説明するので、ぜひ参考にしてください。

 

屋根の塗装時期は5〜15年

屋根の塗装には耐用年数があり、家を建ててからはじめて屋根塗装を考えるタイミングの目安は5〜15年です。

2回目以降のタイミングは、1回目で使用した塗料の耐用年数や環境によります。

最近主流の無機塗料の場合は、屋根だと12〜14年ほどもつので頻繁に再塗装する必要はありません。

ただし屋根は雨や風・紫外線による影響を受けやすく、徐々に劣化するものです。

劣化のスピードは日差しの強さや海の近くなど環境によって異なります。

また屋根の素材によっても耐用性は変わります。

たとえば、スレート屋根は10年に一度の塗装が理想です。

素人では判断しづらいことが多いので専門家に見てもらうほうが安全です。

 

屋根塗装をするのに最適な時期

屋根塗装は向いている時期と避けたほうが良い時期があります。

・春や秋がベスト
・繁忙期はさけたほうが良い

その理由を詳しく説明いたします。

 

春や秋がベスト

気候が安定している春や秋は、屋根塗装を行いやすい時期です。

屋根が濡れた状態では塗装できないため、梅雨や台風、霜が降りる時期は向いていません。

夏は屋根の上が高温になっている可能性が高いので、屋根塗装には不向きです。

気温が高すぎるとかえって塗料が揮発してしまいやすいので、気泡が入りやすくきれいに仕上げることが難しくなります。

冬場は降雪や朝露で屋根が濡れるうえに、気温が低く塗料が乾きづらいので塗装に不向きです。

 

繁忙期はさけたほうが良い

屋根にトラブルがない状態で塗装を考えているなら、繫忙期は避けることをおすすめします。

特に年末は、新年を迎えるにあたって屋根をきれいに塗り直したいと考える人は意外と多く、予約が取りづらい状態になってしまいがちです。

また台風や地震などの災害発生後は早急に対応しなくてはいけない補修依頼が急増するので、工事が1〜2カ月後になることもあります。

屋根の塗装をするなら、繁忙期はさけて依頼したほうがスムーズです。

 

屋根の塗装を検討すべき劣化状況

屋根の塗装を検討すべき劣化のポイントを紹介します。

・雨漏り、天井にシミ
・苔や藻、カビの発生
・金属部分の腐食

これらの症状がある場合、できるだけ早く業者に相談することをおすすめします。

 

天井のシミや雨漏りが発生している

天井や壁にシミができていたり、雨漏りが発生したりする場合は早急な対応が必要です。

塗装だけでなく屋根材も寿命の可能性があり、問題を放置するとカビの発生や建材の劣化、シロアリの被害などを引き起こしかねません。

 

苔や藻、カビが発生している

苔や藻、カビが発生しているのは、屋根の表面の塗膜の劣化が原因で防水性が失われている可能性があります。

苔やカビが繁殖するとさらに水はけが悪くなり、屋根にかかる負荷が増えます。

屋根に苔や藻が発生していたら、メンテナンスが必要な状態です。

 

金属部分が腐食している

屋根の金属部分が腐食しているのは、防水性を失っている状態です。

このまま放置すると劣化が進み、金属が腐食しシミや雨漏りの原因になります。

最悪の場合は屋根材の落下の原因にもなりかねないため、早めに業者へ相談しましょう。

 

屋根の塗装を塗り替えるメリット

屋根の塗装に関して塗り替えるメリットを3つ紹介します。

・遮熱性、断熱性が高くなる
・防水性が高まる
・外観が良くなる

一つずつ見てみましょう。

 

遮熱性・断熱性が高くなる

屋根を塗装することで、遮熱性や断熱性が高くなります。

・遮熱:熱の伝わりを抑えること
・断熱:熱の伝わりを遅くすること

たとえば遮熱効果のある塗料を使用することで、熱を反射して部屋の中が暑くなるのを防ぐことができます。

断熱塗料を使用すれば外の熱が室内に伝わりにくくなるため、こちらも部屋の中が暑くなりにくくなります。

このような効果のある塗料を使用することで、暑い日も室内を快適な温度に保ちやすいです。

遮熱と断熱どちらの塗料を使うべきか、これは家の環境などに左右されるため業者と相談してください。

 

防水性が高まる

屋根を塗装すると、雨漏りが発生しにくくなります。

屋根の防水性が失われていると雨漏りや苔、カビ、錆が発生する原因になります。

苔やカビが広範囲に広がっていると、元の状態に戻すのにお金と時間がかかってしまうものです。

それだけではなく、建物全体の劣化にもつながります。

適切な頻度で屋根を塗装したほうが、結果的に建物全体でかかる修繕費を抑えられる可能性が高いです。

 

外観が良くなる

屋根がきれいだとお家の外観の印象も大きく変わります。

屋根を塗装すると機能性がアップするだけでなく、色を変えることで建物全体の印象も大きく変えることが可能です。

つやも出るので新築のときのような雰囲気も出ます。

ただし黒から白など、既存の色から大きく変更する場合はうまく塗装できない可能性があります。

また外壁や窓、ドアの色、周囲のお家の景観なども考慮しないと「浮いて見える」リスクもあるため注意が必要です。

 

屋根の塗装にかかる費用の相場

約30坪ほどの住宅で屋根塗装をする際に必要な費用の相場は、下記のとおりです。

・屋根のみの塗装:60〜80万円
・外壁塗装+屋根塗装:110〜160万円

屋根のみ塗装もできますが、外壁塗装も一緒にすると足場の組み立てが一度で済むのでお得です。

ただし上記価格はあくまで相場なので、使用する塗料や施工会社によって実際の費用は変わります。

詳細な費用を把握するなら、業者に見積もりを取りましょう。

 

屋根塗装に関するよくある疑問

屋根塗装に関するよくある疑問についてお答えします。

・屋根塗装は意味がないって本当?
・屋根塗装って自分でできる?
・屋根塗装の耐用年数は?

塗装工事を検討する前に知っておきたいことばかりなので、ぜひ参考にしてください。

 

屋根塗装は意味がないって本当?

屋根塗装は意味がないと思っている人もいますが、そのようなことはありません。

大半のお家では、定期的な屋根塗装が必要です。

屋根塗装することで建物の劣化を防ぎ、長く快適に住める家になります。

素人目で見ても判断できないような劣化もあるので、信用できる専門家に相談することが一番です。

 

屋根塗装って自分でできる?

DIYで屋根塗装をする人もいますが、おすすめできません。

・屋根から落下するリスクがある
・屋根に登ったときに既存の屋根材を傷つけてしまう恐れがある
・うまく塗装できずに塗料本来の性能を発揮できないことがある

このようなリスクがあるため、DIYでの屋根塗装は避けましょう。

屋根塗装は、実績豊富な業者への依頼がおすすめです。

 

屋根塗装の耐用年数は?

屋根塗装の耐用年数は、塗料によって異なるものです。

塗料によって耐用性は異なり、寿命の高いものだとランニングコストを抑えられます。

また同じ塗料を使ったとしても、屋根材や建物が立っている方角、台風や地震にあう頻度などによって、劣化のスピードは違ってきます。

屋根で使用される主な塗料ごとの、耐用年数の目安は下記のとおりです。

・シリコン塗料:4〜9年
・フッ素塗料:6〜14年
・無機塗料:12〜14年

耐用年数は塗装環境や使用する塗料によっても異なるため、あくまで目安です。

 

屋根の状況や時期を考慮して塗装を考えてみよう

足場の風景
足場の設置

本記事では屋根の塗装時期にお悩みの方へ向けて、屋根塗装を検討する時期や状況、費用などについて解説しました。

一般的な家屋では、屋根や建物全体の劣化を防ぐため5〜15年で塗装をし直す必要があります。

劣化症状が現れたときはできるだけ早く専門家に相談し、塗装し直さなくてはなりません。

屋根材も塗装の種類もいろいろあり、立地状況によって劣化の度合いも違うので専門家に見てもらうほうが安全です。

長く安心して暮らせる家にするためにも、ぜひ業者への相談をご検討ください。


屋根塗装の費用相場はいくら?単価表や値段を抑える方法を紹介

「屋根塗装の費用の相場はどれくらいなの?」
「屋根塗装の費用を抑える方法が知りたい」

このようなお悩みを持たれている方へ向けて、本記事では屋根塗装の費用相場について解説します。

約30坪の住宅の屋根を塗装する場合の費用相場は60〜80万円と、決して安いものではありません。

記事の後半ではお得に外壁塗装する方法についてもご紹介しています。

屋根の塗装費用について悩んでいる方はぜひご一読ください。

 

屋根塗装にかかる費用相場

屋根塗装にかかる費用の相場は、約30坪の住宅だと60〜80万円ほどです。

ただし上記金額はシーリング費用や付帯塗装、諸経費によって変動します。

環境や使用する塗料によっても異なりますので、あくまで目安として参考にしてください。

参考までに、約30坪の住宅の外壁塗装の工事費用は70〜110万円となっております。

屋根塗装と外壁塗装工事を同時に行う際の費用は110〜160万円です。

 

30坪の屋根塗装にかかる費用相場の詳細

見積書に記載されている項目について、費用感とあわせてご紹介します。

・足場代
・養生代
・高圧洗浄代
・下地補修代
・屋根塗装代
・諸経費

上記の項目についてそれぞれ確認していきます。

 

足場代

屋根塗装は高所作業となるため、安全に工事を行うために住宅の外周に足場を立てる必要があります。

足場の設置費用は、外壁と屋根を同時に塗装する場合は約20万円です。

足場代は建物の形や土地の広さによって価格が変わります。

3階建てや狭小地は特に価格が変わる可能性がありますので、正確な費用感は業者に相談してみましょう。

 

養生代

養生代は、屋根塗装をする前の養生に必要な費用です。

養生とは「塗装箇所以外に塗料などが付着しないようにビニール等でカバーすること」です。

養生ができていないと、屋根以外の塗装をする予定のない場所に塗料がついてしまうリスクがあります。

養生の費用は、外壁と屋根を同時に塗装する場合は5万円程度です。

 

高圧洗浄代

高圧洗浄とは「高圧で水を噴射し屋根の汚れを落とすこと」です。

汚れが落ちていないと塗料のノリが悪くなり、塗料がなじみにくくなります。

高圧洗浄の費用は、外壁と屋根を同時に塗装する場合は3万円程度です。

 

下地補修代

下地補修代は、屋根を固定するためにある「屋根下地」と呼ばれる部分の補修費用になります。

屋根下地が痛んでいると雨漏りリスクが発生するため、塗装時に必要となる費用です。

下地補修の費用は、外壁と屋根を同時に塗装する場合は4万円程度です。

ただし屋根の劣化状況によっては費用が高くなる可能性があります。

 

屋根塗装代

屋根塗装の費用相場は、外壁と屋根を同時に塗装する場合は40万円〜70万円程度です。

屋根単体であればもう少し安くなります。

屋根塗装代に関しては塗装面積、塗料の種類によって大きく金額が変動します。

塗装する面積が広かったり高価な塗料を使用したりする場合は、屋根塗装代は相場より高くなる可能性があります。

 

諸経費

諸経費は業者によって異なるため、相場がありません。

「諸経費にはどのような項目が入っているのですか?」など、事前に業者へ質問してみましょう。

 

屋根の塗装費用が変動する要因

屋根塗装の費用は、相場の金額から変動する可能性があります。

金額が変動する要因について説明していきます。

・屋根の面積
・屋根材の種類
・塗料の種類
・屋根の状態

これらの4点について解説していきます。

 

屋根の面積

屋根の面積によって塗装費用は変動します。

塗装費用は「(塗料の単価×屋根面積)+人件費などの諸経費」で計算されているため、塗装する面積が広いほど高額になりがちです。

 

屋根材の種類

屋根材の種類によって塗装費用は変動します。

屋根材に何が使われているかによって、使用できる塗料や施工方法が変わってきます。

 

塗料の種類

どのような塗料で屋根塗装を行うかによっても、費用は変動します。

一般的には価格の高い塗料の方が、耐用年数が長いことが多いです。

安いものだと耐用年数が短くなりがちです。

自宅の屋根の種類によっても使用できる塗料が限られるため、自宅の屋根に使いたい塗料が使えるかどうかは業者に相談しましょう。

参考までに、塗料の種類ごとの価格は下記のとおりです。

・シリコン:2,300〜3,500円/平方メートル
・フッ素:3,500〜5,000円/平方メートル
・無機:3,500〜5,500円/平方メートル

よく使われるのは上記3つとなっております。

 

屋根の状態

屋根の状態によっても塗装費用は変動します。

屋根の劣化状況や下地の状況によっては、補修費用が必要となる場合があります。

あまりにも劣化している場合には屋根の葺き替えを検討した方が良い場合もあるため、業者と相談してみましょう。

 

相場よりお得な値段で屋根塗装する方法

屋根塗装をより安価に行える方法についてご紹介します。

・外壁塗装とセットで行う
・地方自治体の助成金制度を活用する
・火災保険を活用する
・耐用年数が長い塗料を使用する

どういうことか詳しく見てみましょう。

 

外壁塗装とセットで行う

屋根塗装をする時に検討したいのが、外壁塗装です。

どちらの工事も足場設置が必要となり、個別に工事すると2回も足場費用が発生します。

ところが、一度に屋根と外壁の塗装を行うことで、足場費用を抑えることが可能です。

なお約30坪の住宅の外壁と屋根を同時に塗装する場合、必要な足場費用の相場は20万円ほどです。

 

地方自治体の助成金制度を活用する

お住まいの自治体によっては助成金を使えることがあります。

助成金制度について調べてみて、活用できそうな制度があれば申請してみましょう。

助成金の制度は自治体によって異なるので、気になる方は各自治体窓口に相談したり地元の業者に相談したりするのがおすすめです。

ただし、助成金はすべての人がもらえるわけではありません。

要件を満たしていないと助成金がもらえないので、着工前に申請して可否を確認しましょう。

 

火災保険を活用する

台風、強風、大雪など自然災害に遭った場合、火災保険を活用できる可能性があります。

ただし保険会社によって保証内容が異なります。

詳細な条件が付いている場合が多いので、各自で契約中の保険約款をご確認ください。

また「火災保険を適用できる」と断定して契約を促す業者は避けることをおすすめします。

火災保険を適用できるかどうかは保険会社が判断するため、業者側では断定できないからです。

 

耐用年数が長い塗料を使用する

長い目で見ると耐用年数が長い塗料の方がお得になる場合があります。

塗料による耐用年数と価格は以下のとおりです。

・シリコン塗料:4〜9年、2,300〜3,500円/平方メートル
・フッ素塗料:6〜14年、3,500〜5,000円/平方メートル
・無機塗料:12〜14年、3,500〜5,500円/平方メートル

耐用年数の長い塗料を選んだ方が長期間持つため、長い目で見るとお得です。

 

屋根塗装の相場に関するよくある疑問

屋根塗装の相場に関してよくある疑問を解説します。

・屋根塗装の平米単価を知りたい
・屋根塗装の単価表を確認したい
・40坪の屋根塗装の相場を知りたい

上記について詳しく見ていきましょう。

 

屋根塗装の平米単価を知りたい

屋根塗装の費用を平米単価で考えるとどれくらいの金額になるのでしょうか。

約30坪の住宅の屋根塗装の費用は60〜80万円程度となっております。

そのため、1坪当たりの費用は2〜2.7万円程度です。

1坪=3.3平米ですので、平米単価は約0.6〜0.9万円となっております。

また「外壁塗装と屋根塗装を一緒に施工した場合の平米単価は?」という質問もよくあります。

外壁塗装のみの場合は1坪当たり0.7〜1.2万円、屋根塗装+外壁塗装の場合は1.3〜1.8万円となっております。

上記金額を目安にしてください。

 

屋根塗装の単価表を確認したい

屋根塗装では以下の4種類の塗料が主に使われています。

・シリコン:2,300〜3,500円/平方メートル
・フッ素:3,500〜5,000円/平方メートル
・無機:3,500〜5,500円/平方メートル

ちなみに、現在は無機塗料が主流となっております。

 

40坪の屋根塗装の相場を知りたい

一般的な40坪の住宅の屋根塗装の相場は、あくまで目安ではありますが、屋根塗装の費用は80〜108万円程度となります。

また、屋根塗装と一緒に工事することの多い外壁塗装の費用は92〜148万円程度です。

外壁塗装と、屋根塗装を一緒にすると148〜212万円となります。

足場設置の費用が一回で済むため、金額が安く済むのです。

 

屋根塗装にかかる費用を業者に相談してみよう

本記事では、屋根塗装の費用相場とお得に塗装を依頼する方法について解説しました。

まずは相場感を把握していただいて、この価格をもとに業者に相談してみましょう。

実際にみなさまの自宅の屋根に登って状況を確認してみると、費用相場から金額が変動する場合もございます。

まずは一度業者に相談していただいて、状況確認をしてもらい見積もりを取ってみてください。

屋根の劣化は雨漏りにつながり被害が拡大することがあるため、手遅れにならないうちに相談してみましょう。


屋根塗装の見積もり相場はいくら?見積書で見るべきポイントも紹介

「屋根の塗装をしたいけれど、見積もりの相場が気になる」
「見積書で見るべきポイントを知りたい」

このような悩みを抱えている人に、本記事では下記の内容について解説しています。

・屋根塗装の見積もり相場
・見積書で見るべきポイント
・見積もりを依頼するタイミングとポイント
・業者の選び方

屋根塗装の見積もりを依頼しようと考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。

 

屋根塗装の見積もり相場

屋根塗装の見積もり相場は、約30坪の住宅で60〜80万円ほどかかります。

ただし、この金額はあくまで目安です。

塗装環境や使用する塗料、屋根の状態などによって異なり、費用相場より大きくはずれる場合があるので注意しましょう。

正確な屋根塗装の金額は、業者に見積もりをとって確認することをおすすめします。

しかし「見積書をとってもどこをみれば良いのか分からない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで次は、見積もりで見るべきポイントを解説していきます。

 

屋根塗装の見積もりで見るべきポイント

トラブル発生を未然に防ぐためにも、見積書はしっかり確認しておくことが大切です。

見積もりをもらったら、下記のポイントを意識してチェックしましょう。

・工程ごとに詳細が記載されているか
・使用する塗料が記載されているか
・塗る面積が記載されているか
・見積書と同時に保証書ももらえるか

各ポイントについて詳しく解説していきます。

 

工程ごとに詳細が記載されているか

見積書を見るときは、工程が詳細に記載されているか確認しましょう。

記載されている工程が曖昧だと、工事が始まってから「その内容は見積書に含まれていない」とトラブルに発展する恐れがあるからです。

特に「工事一式」とひとまとめにされていては、実際にどのような工事が行われるのかわかりません。

「足場の設置費用」「養生代」など、見積書に具体的な工程が記載されているかは必ず見ておきましょう。

 

使用する塗料が記載されているか

屋根塗装で使われる塗料が明確に記されているかも、重要なチェックポイントです。

塗料によって金額や耐用年数が異なるため、具体的な記載がないと後々トラブルに発展しかねません。

主な塗料の耐用年数は下記のとおりです。

・シリコン塗料:4〜9年
・フッ素塗料:6〜14年
・無機塗料:12〜14年

単価は下記のとおりです。

・シリコン塗料:2,300〜3,500円/平方メートル
・フッ素塗料:3,500〜5,000円/平方メートル
・無機塗料:3,500〜5,500円/平方メートル

今では製品名やメーカー名でネット検索すると、塗料の情報が多く出てきます。

トラブルを防ぐため、どの塗料を使用するのか、その塗料にはどのような特徴があるのかなどを確認しておくと安心です。

 

塗る面積が記載されているか

塗装面積が記載されているか確認しましょう。

塗装費用は「(塗料の価格×塗る面積)+諸経費(足場代など)」で決まります。

なかにはコストカットのために少ない塗布量や塗布面積で工事する業者があります。

内容や塗料名の記載があっても塗る面積が見積書に含まれていないと、どの程度の塗料を使うのかがわかりません。

塗料の量が少ないと性能が十分に発揮されず、納得のいく屋根塗装に仕上がらない可能性があります。

施工後のトラブルを防ぐため、塗装面積が見積書に記載されているかチェックしておくのがおすすめです。

 

見積書と同時に保証書ももらえるか

屋根塗装の直後は何もなくても、何年か経ってから不具合が出るケースがあります。

塗装後に何かあったときのため、保証書をもらえる業者を選びましょう。

保証書は施工してから一定期間の不具合を保証してくれるため、無いよりある方が安心できます。

 

屋根塗装の見積もりを取るべきか考えるタイミング

足場の風景

屋根塗装の見積もりを取るのにおすすめのタイミングを2つご紹介します。

・築10年ほど経過したとき
・屋根の塗装がはがれたとき

上記に当てはまるようなことがあれば、屋根塗装の見積もりを検討しましょう。

なぜなのか、詳しく解説します。

 

築10年ほど経過したとき

基本的に建築してから10年ほど経過したときが、屋根塗装を考えるのにおすすめのタイミングです。

屋根は雨風や紫外線がよく当たる場所なので、外壁より早く寿命がきます。

屋根の劣化が進むと雨漏りの発生につながり、家の内部が腐る可能性もあるため危険です。

屋根材の種類によっては10年以上もつこともありますが、見積もりを依頼する目安として覚えておくと良いでしょう。

 

屋根の塗装がはがれたとき

屋根塗装のはがれを見つけたときは、あらためて塗装が必要です。

放置すると雨漏りの原因となり、住宅自体の寿命が縮んでしまう恐れがあります。

住宅の屋根を確認するときは、遠くから眺めてみたり2階から下の屋根を見たりするのが手軽です。

自分で屋根に登るのは危険なうえに、屋根材を破損してしまう場合があるのでやめましょう。

気になる箇所がある、または本格的にチェックしてほしい場合には業者へ相談してください。

 

屋根塗装を依頼する際に知っておきたいポイント

屋根塗装を依頼するときに知っておきたいポイントは、以下のとおりです。

・悪徳業者への依頼を避ける
・値段だけで業者を選ばない

ポイントを抑えて、満足できる屋根塗装ができるようにしましょう。

 

悪徳業者への依頼を避ける

悪徳業者へ依頼してしまうと、法外な料金を請求されたり手抜き工事をされたりする恐れがあります。

優良業者を選ぶためにも、下記の特徴に当てはまる業者には注意が必要です。

・その場で契約を強く促す
・「いま工事しないと大変なことになる」など強く不安を煽る
・「いま契約すれば大幅割引」など異常な値引きする

ではどのようにして見極めたら良いのか、詳しく解説していきます。

 

値段だけで業者を選ばない

見積書の金額が安いからといって、安易に契約するのはおすすめできません。

塗装は職人の技術によって差が出るため、依頼する業者の過去実績を確認する必要があります。

実績が乏しかったり不信感のある対応をされたりした場合には、本当に依頼するべきか考え直しましょう。

塗装不良があると屋根の見た目が悪くなるだけではなく、すぐに塗装が剥がれるなど長持ちしない可能性があります。

コストを安く抑えることも大切ですが、費用面だけを判断材料にするのは危険です。

 

屋根塗装を依頼する業者の選び方

優良業者へ依頼するためには、業者の選び方を知っておくことが大切です。

何を基準に選べば良いのかわからない人は、下記に注意して業者を選んでみてください。

・相談したときの対応は誠実か
・評判は良いか
・使用する塗料への説明があるか

満足のいく仕上がりにするためにも、費用面だけではなく会社の評判や担当者の対応なども見ておくことが大切です。

 

相談したときの対応は誠実かチェックする

屋根塗装の相談をしたときに担当者が親身になって答えてくれるかどうかは、重要なポイントです。

不誠実な対応では、安心して工事を任せられません。

担当者とは何度かやりとりすることもあるため、相性が悪いと打ち合わせするのも億劫になってしまうでしょう。

相談するときには人当たりの良さや対応の素早さ、自分と合うかどうか見極めることをおすすめします。

 

評判は良いか確認する

依頼する業者の評判が良いかどうか、といった観点も判断材料に入れておきましょう。

塗装業者に限らず、私たちが普段から飲食店やネットショッピングで口コミを参考にするのと同じです。

依頼する業者をピックアップしたら、一度ネットの口コミ評判やSNSなどで確認してみましょう。

可能であれば、実際に塗装依頼した人の生の声を聞いてみるのもおすすめです。

業者が自社サイトでお客様の声として紹介していることもあるので、参考にしてみてください。

 

使用する塗料への説明があるかチェックする

屋根塗装に使われる塗料について、しっかり説明がある業者を選びましょう。

塗料のグレードによって費用や効果が変わるため、説明が不十分だと価格に見合った塗料なのかどうかわかりません。

どのような塗料を使って耐用年数はどれほどあるのかなど、特徴や内容を説明してくれる業者なら安心して依頼できます。

 

屋根塗装するなら業者への見積もり依頼からはじめよう

屋根塗装の見積もりを依頼するときには、費用面だけではなく業者の対応や評判などもしっかり確認することが大切です。

いくらリーズナブルに施工できたとしても、塗装不良で見た目が悪かったりすぐに傷んでしまったりするのは避けたいところです。

見積書が詳細に記載されていなければ、本来であれば対応すべき項目が入っておらず、施工後のトラブルに発展する可能性もあります。

本記事で紹介したポイントをもとに、信頼感のある業者へ屋根塗装を依頼しましょう。