破風板の塗装が必要な理由とは?費用相場や素材別の特徴、注意点を解説

破風板の塗装が必要な理由とは?費用相場や素材別の特徴、注意点を解説

「破風板の塗装は行うべき?」

「破風板の塗装にかかる費用相場はどのくらい?」

破風板の劣化が目立ち、塗装の必要性を考えている方もいるのではないでしょうか。

破風板とは、三角屋根を側面から眺めた際の斜辺部分・側面に取り付けられた板のことです。

風雨の影響を受けやすい場所であるため、塗装など定期的にメンテナンスをする必要があります。

本記事では破風板の塗装について、以下の点を中心に解説します。

・破風板の塗装が必要な理由
・費用相場
・破風板の素材別の塗装ポイント

破風板の塗装を行う際の注意点についてもあわせて解説していますので、ぜひ最後までご一読ください。

破風板の塗装が必要な理由

破風板は、定期的に塗装を行いメンテナンスする必要があります。

主な理由は下記のとおりです。

・破風板の劣化防止につながる
・雨漏りのリスクを抑える
・見た目を綺麗に保つ

どういうことか解説します。

破風板の劣化防止につながる

破風板は雨風の影響を受けやすく、劣化しやすい箇所です。

防水機能が低下すると破風板だけでなく、下地の劣化につながることもあります。

劣化がひどい場合には、交換修理が必要です。

交換修理には高額な修理費用が発生しかねないため、定期的に塗装を行いメンテナンスする必要があります。

雨漏りリスクを抑える

破風板の防水機能が低下すると、建物内部に水が浸入します。

浸入した水は屋根裏に伝っていき、雨漏りの原因となるのです。

雨漏りを防止するためにも、定期的に破風板を塗装するなどメンテナンスが必要です。

見た目を綺麗に保つ

破風板は、屋根を側面から眺めた際に目立つ箇所です。

色褪せたり汚れていたりと劣化している状態では、住宅の美観を損ねてしまいます。

周囲の人に古びた印象など悪印象を与える場合もあります。

破風板の塗装は、住宅の見た目を綺麗に保つためにも必要です。

破風板塗装の費用相場

破風板の塗装にかかる費用は600〜1500円/平方メートルが相場です。

基本的に破風板は高所にあるため、足場を設置する必要があります。

足場を設置した場合には別途足場代がかかる点にご注意してください。

使用する塗料の種類によって塗装費用は変動します。

足場の設置や使用する塗料を含めて塗装費用を確認するのがおすすめです。

破風板塗装を行うべきタイミング

破風板の塗装を行うべきタイミングは、破風板の劣化状態から検討するほか、耐用年数や外壁塗装など他の塗装を行うタイミングを基準に考えましょう。

一般的に破風板の耐用年数は約20〜30年です。

耐用年数が近づいている場合には一度点検してもらい、早めの塗装を行いましょう。

外壁塗装や屋根塗装を行うタイミングに合わせて破風板を塗装するのもおすすめです。

タイミングを合わせると、足場代の節約や足場を別途設置する手間を省けます。

ただし破風板の劣化が進んでいる場合には早急な対処が必要です。

破風板が劣化しているサイン

破風板の主な劣化のサインは以下6つです。

・色褪せ
・カビやコケ
・形の歪み
・剥がれ
・ひび割れ
・破損

破風板は、屋根や外壁同様年月の経過とともに劣化します。

劣化のサインを見逃さないように気をつけて点検しておき、塗装のタイミングを見極めましょう。

色褪せ

破風板に色褪せが見られたら劣化のサインです。

塗装の色褪せは急いで対処しなければいけない症状ではありませんが、放置していると塗装剥がれにつながります。

破風板の塗装が色褪せてきたら、塗装剥がれなどの劣化サインがないか点検しましょう。

まだ色褪せのみだった場合も、外壁塗装のタイミングに合わせて破風板も一緒にメンテナンスすると劣化の進行を抑えられます。

カビやコケ

カビやコケが発生している場合も、破風板が劣化しているサインです。

破風板の塗膜が劣化すると、劣化した部分に雨水が浸入し蒸発しにくくなります。

湿った状態が続くとカビやコケが発生し、さらに劣化が進んでしまいます。

破風板にカビやコケを発見した場合は、塗装前に綺麗に洗浄することが大切です。

形の歪み

破風板の形が歪んできたと感じたら、メンテナンスが必要です。

中でも木材など水分を吸収しやすい素材の破風板は、雨水を吸収すると膨張し乾燥すると収縮する性質があります。

年月の経過とともに何度も膨張と収縮を繰り返すことで、破風板の形が歪んできます。

破風板の歪みを改善するのは塗装だけでは難しく、大規模な修繕が必要です。

形が歪むほど劣化する前に、塗装メンテナンスを心掛けましょう。

塗装の剥がれ

破風板に塗装剥がれが見られたら、早めのメンテナンスが必要です。

破風板の塗装が剥がれていても、破風板自体にはまだダメージはありません。

しかし塗装が剥がれた部分は破風板の素材が剥き出しになるため、雨風にさらされて破風板が劣化する原因になります。

塗装が剥がれて破風板があらわになる前に早めにメンテナンスを検討しましょう。

ひび割れ

破風板が劣化するとひび割れが生じます。

ひび割れすると、雨水がひび割れ部分に入り込み破風板が腐食する原因になりかねません。

破風板にひびが入ることにより塗膜も剥がれ落ち、放っていると劣化の範囲が広がります。

塗装だけでは対処できずに補修が必要になるケースもあるため、ひび割れが深刻化する前に対処しましょう。

破損

破風板が欠けたり穴があいたりなど破損しているときは、ひび割れよりも劣化が進んだ状態です。

雨漏りしている可能性も高いため、破風板の内部に異常がないか点検しましょう。

とくに天井や軒下などが変色していないか確認してください。

破風板が破損すると、塗装ではなく破風板自体を交換しなければいけません。

塗装よりも大規模な処置が必要になります。

破風板の素材別の特徴と塗装のポイント

破風板の素材には、主に下記3つの素材が考えられます。

・木材系
・金属系
・窯業系

素材によって、適した塗料や塗装のポイントがあるので注意が必要です。

木材系

破風板の素材に木材が使用されている場合には、木の通気性を保てるように余計な塗膜を作らない塗料を選びます。

木が呼吸することにより、収縮して塗膜が剥がれやすくなるからです。

木材に浸透し、余計な塗膜を作らないタイプの塗料を使用しましょう。

金属系

破風板の素材が金属系である場合、金属素材に合わせて専用の塗料を使用します。

金属系の素材が使用されている破風板は塗装する際に、サビ止めの塗布が必要です。

サビ止めを塗布しないと、サビが広がり破風板自体の耐久性が低下します。

金属系の素材に適した塗料を素人が判断することは難しいため、信頼できる業者に相談して塗装を行いましょう。

窯業系

窯業系はセメント素材で吸水性が高いのが特徴です。

雨水の影響を受けやすいので、内部に水が浸透しないようにこまめな塗装を行いましょう。

ただし窯業系専用塗料で塗装が必要である点に注意してください。

外壁塗装や屋根塗装を行う際には、破風板の塗装も行いメンテナンスしておくと安心です。

破風板の塗装工程

破風板の塗装では、下記の工程で塗装を進めていきます。

・洗浄
・ケレン作業
・下塗り
・中塗り
・上塗り

別途足場の設置や解体には時間が必要です。

洗浄後や塗装後には乾燥期間が必要であるため、塗装は数日ほど時間がかかります。

洗浄

高圧洗浄機を用いて、破風板表面に付着した汚れやホコリを取り除きます。

表面に汚れやホコリが付着していると「塗膜の剥がれ」につながるため注意が必要です。

下地を傷つけないように注意しながら、洗浄で綺麗に汚れを落とします。

ケレン作業

ケレン作業では旧塗膜を削り取り、塗装箇所の表面を滑らかにします。

汚れやホコリと同様、旧塗膜が残っていると新しく塗装してもすぐに塗膜の剥がれを引き起こします。

下塗り

中塗り材や上塗り材と下地をより密着させるため、下塗り材を塗布します。

塗装の機能を向上させるためにも下塗りは重要な工程です。

「下地の色を隠す」という役割もあります。

より綺麗な仕上がりを手に入れるために下塗りは欠かせません。

中塗り

中塗りは、下塗りで塗装した表面を滑らかにするために大切な工程です。

塗装表面が凸凹していると綺麗に上塗りできません。

中塗りは手抜きされることがある工程なので、しっかり実施してくれる業者を探す必要があります。

見積書に中塗りの工程が記載されているかをチェックし、施工業者に何回塗りを行うのか確認しましょう。

上塗り

下塗り、中塗りで滑らかな表面を作った後は、最後に仕上げの上塗りを行います。

中塗りと上塗りの間にもしっかりと乾燥させる時間が必要です。

【建材別】破風板の塗装におすすめの塗料

破風板の4つの建材別におすすめ塗料を解説します。

・木材
・金属系
・窯業系
・モルタル

破風板を塗装するときは、破風板の素材や既存塗料と相性のよいものを選びましょう。

しかし、個人で適切な塗料を見極めるのは難しいため、専門的な知識を持つ業者に相談しアドバイスをもらうのがおすすめです。

木材

木材の破風板を塗装するときは、浸透性の高い塗料がおすすめです。

木材は水分の吸収や放出といった呼吸を繰り返しています。

浸透性の高い塗料は木材に浸透し塗膜をつくらないため、木材の通気性を維持でき呼吸を邪魔しません。

さらに、塗料に含まれる樹脂やオイルなどの成分が木材に浸透することで、木材の質感を損ねません。

また、半透明の塗料を選ぶと木目の美しさも際立ちます。

どのような仕上がりにしたいのかを業者に伝えておくと、塗料選びで失敗することはないでしょう。

金属系

金属系の破風板塗装には、シリコン塗料などの伸縮性の高い塗料を選びましょう。

トタンやガルバリウム鋼板などの金属は耐久性・耐火性がありますが、熱によって伸縮しやすい性質があります。

金属の伸縮に耐えられる塗料を使用することで、塗装のひび割れを防げます。

フッ素塗料や無機塗料は伸縮性に劣るため、金属系の破風板と相性がよくありません。

素人判断をせず、業者の意見を参考にしましょう。

窯業系

窯業系の破風板の塗装には、耐水性が高く耐火性を失わない塗料が向いています。

窯業系の破風板の懸念点は、吸水性が高く雨水の影響を受けやすいことです。

耐水性の高い塗料であれば、雨漏れ対策ができます。

また、窯業系の破風板の場合、耐火性もポイントです。

窯業系はセメントなどを原料とし超高温で処理されることで、高い耐火性を備えています。

窯業系のメリットである耐火性を失わないことにも配慮し塗料を選びましょう。

モルタル

モルタルの破風板と相性がよいのは弾性のある塗料です。

モルタルはひび割れが生じやすく、塗膜にひびが入ると雨水が破風板の内部に浸入してしまいます。

弾性のある塗料で塗装すれば、モルタルがひび割れたとしても塗膜まではひび割れず、雨漏れを防止できます。

弾性のある塗料で、モルタルのデメリットをカバーしましょう。

破風板を塗装する際の色の選び方

破風板を塗装する際には、外壁や屋根、雨樋と合わせた色を選ぶのがおすすめです。

色を外壁や屋根など他の箇所と合わせることで統一感が得られ、洗練された雰囲気を演出できます。

白色は汚れが目立ちやすいので避けた方が無難です。

目立つ色を使用すると、周囲の景観を損ねてしまうことがあります。

外壁や屋根と同系色や落ち着いた色を選ぶのがおすすめです。

破風板の塗装以外の修理方法と費用相場

破風板の劣化が色褪せや塗膜剥がれなど軽度であれば、塗装が有効です。

しかし、重度なひび割れや破損が生じているときは以下2つの方法で修理します。

・板金巻き
・交換

それぞれ詳しい修理方法と、費用相場を解説します。

板金巻き

板金巻きは、既存の破風板にガルバリウム鋼板を巻き付ける修理方法です。

塗装の剥がれは進んでいるものの、破風板自体はまだ使える状態のときに採用されます。

板金巻きは、傷んだ破風板の耐久性を向上できる点がメリットです。

ただし、板金巻きを施した後も15~30年で塗装などのメンテナンスが必要になります。

板金巻きの費用相場は1メートル当たり3,000~4,000円が相場です。

交換

破風板や下地が破損しているときは、破風板を交換します。

破損してしまうと、塗装や板金巻きでは対応できません。

破風板の交換費用は、15~30万円が相場です。

その他にも、足場代や既存の破風板の解体、廃棄費用がかかるため塗装よりも高額になります。

費用負担を減らすには破風板の劣化サインを見逃さず、破損する前に塗装などのメンテナンスをすることが大切です。

破風板の塗装を行う際の注意点

破風板の塗装を行う際に知っておくべきポイントを紹介します。

・自分で破風板の塗装を行わない
・下地処置が工程に含まれているか確認する
・下地の劣化が激しい場合は塗装ができない

破風板の塗装前には、それぞれの注意点を把握しましょう。

自分で破風板の塗装を行わない

破風板の塗装は自分で行わないようにしましょう。

高所での作業が必要であるため、転落リスクがあり危険です。

また専門的な知識がないと、破風板の劣化状態や素材に適した塗料を判断できません。

DIYすることにより、破風板の状態を悪化させる恐れもあります。

破風板の塗装は自分で行わず、信頼できる専門業者に依頼してください。

下地処理が工程に含まれているか確認する

ケレン作業などで下地補修を行っておかないと、塗料の剥がれを引き起こします。

コーキングも劣化する箇所であるため、しっかりと補修を行ってくれる業者に依頼しましょう。

見積書を確認してケレン作業などの下地処理の工程が含まれているかをチェックしてみてください。

見積書だけでなく作業内容にも注意が必要です。

中塗りを省いて手抜き塗装する業者が存在します。

業者に「何回塗りを行うのか」を確認し、適切な塗装が行われているのかチェックするのがおすすめです。

下地の劣化が激しい場合は塗装ができない

下地の劣化が激しい場合には、上から重ね張りするか、交換作業を行う必要があります。

専門業者に破風板の状態を確認してもらい「塗装でメンテナンス可能か」を判断してもらいましょう。

塗装が適切でない状況下では、他の補修方法を検討しなければなりません。

自宅の破風板にあった適切なメンテナンスを行うようにしましょう。

破風板塗装をお得に実施する方法

破風板の塗装をお得に実施したい方は以下2つの方法を検討しましょう。

・外壁塗装と同時に行う
・補助金を確認する

順番に解説します。

外壁塗装と同時に行う

破風板の塗装を外壁塗装と同時に行うことで、長期的に見たときに工事費用を抑えられます。

破風板や外壁を塗装するときには足場を組むことが必要ですが、違うタイミングで塗装工事を行うと足場代が2倍かかります。

1回のメンテナンスにかかる費用を見れば、破風板だけや外壁だけを塗装する方が安いです。

しかし同時に塗装すれば1回分の足場代を節約できるため、長期的な視点で考えた場合お得です。

業者とのやり取りも1度で済むため、打ち合わせにかかる手間や時間も軽減できます。

補助金を確認する

お住まいの自治体によっては、破風板の塗装で補助金を受け取れる場合があります。

耐震改修工事などほかの工事と同時に行うことで、破風板塗装の工事費用が補助されるケースがあるため、自治体のホームページで確認してみましょう。

補助金制度には、対象期間や人数制限などの条件が設けられています。

補助金を活用したい方は早めに調べておきましょう。

破風板と一緒に鼻隠しも塗装しよう

破風板を塗装する際は、鼻隠しも一緒に塗装しましょう。

鼻隠しも、破風板と同じ「屋根の先端部分」にあたります。

雨樋がつくほうが鼻隠し、雨樋がつかないほうが破風板です。

鼻隠しは破風板と同様に雨風から屋根裏を守る役割があるため、劣化が進むと雨漏りの原因になります。

鼻隠しの劣化サインは破風板と同じです。

色褪せや塗膜の剥がれ、ひび割れなどの劣化サインがないか定期的に点検しましょう。

破風板と鼻隠しのどちらか一方に劣化のサインが見られた場合には、同時に塗装するのがおすすめです。

破風板は定期的に塗装を行いメンテナンスしよう

破風板は劣化防止や雨漏りリスクを抑えるため、定期的に塗装を行いメンテナンスする必要があります。

塗装を行う際には、DIYは危険であるため、業者へ依頼するのがおすすめです。

破風板の状態をチェックしてもらい、素材に合わせた適切な補修を行うようにしてください。

塗装を依頼する際には、塗装工程をしっかり把握し、施工が適切に行われているかを見極められるようにしておきましょう。

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監修者プロフィール
間中明世

マナカリフォーム株式会社
代表取締役 間中明世

保有資格:

足場作業主任者・石綿作業主任者・石綿含有建材調査者・アステックペイント技術研修会 修了

業界歴・経歴:

塗装工事に従事し13年以上。1,000棟以上の塗装工事に携わり独立後は千葉市/四街道市で674棟以上の塗装工事を実施

出身地:

千葉県千葉市稲毛区

私は8年間、下請けの現場作業員として勤務していました。
仕事自体は好きでしたが、元請けの仕事のやり方で何度か嫌な思いをした経験があります。例えば本来正面の1面だけでよい足場を、4面にかけて不要な費用を発生させるなどです。その他にもお客様への向き合い方で大小さまざま、疑問に感じることがありました。ただ元請け先との関係から何も言い出せない、そんな現状に悩み続ける毎日を過ごしておりました。
「もっと誠実にお客様と向き合いたい」「工事で失敗する方を減らしたい」
という想いが日に日に強くなり、マナカリフォーム株式会社を立ち上げるに至りました。
創業時の想いと「常に誠実・正直」を信念に、お客様を裏切らない仕事をお約束します。

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