屋根は住まいの中で最も高いところに位置している部分。
雨や日差しの影響をモロに受け、寒暖差も大きいため、劣化の進行が最も早い箇所だといえるでしょう。
普段なかなか目にする機会が少ないだけに、雨漏りして初めて劣化していたことに気付く方も…。
外壁に劣化が見られたら、屋根の劣化も進行している可能性大。合わせて点検することをオススメします。
また、塗り替えを行う際も外壁と合わせて行えば、足場代が二重にかからないためお得です◎
■ どれを選べば一番良いの?最適な塗料選び
塗料といっても様々な種類があり、選択する塗料で耐久性や機能性は大きく変わってきます。
今後どのくらいの頻度で塗り替えたいか、今どんな悩みがあるか、で選ぶ塗料は変わってきますので、まずはお話をお聞かせください。
お客様にとって最適なものをご提案いたします。
▼グレード別!塗料の種類
ウレタン塗料 塗料グレード:★★★☆☆ / 耐久年数:5~7年
塗膜がやわらかく密着性に優れているため、細かい部分の塗装にも◎。価格・耐久性・機能性のバランスが良い塗料です。
シリコン塗料 塗料グレード:★★★★☆ / 耐久年数:8~10年
近年価格が下がってきたこともあり、ご利用されるご家庭が増えてきました。汚れにくさと防水性能を両立した、耐久性の高い塗料です。
ラジカル塗料 塗料グレード:★★★★☆ / 耐久年数:10~12年
2015年に発売された新しい塗料で、従来にはない高緻密なシールド層が特徴です。価格はシリコンとほぼ同じくらいですが、耐久性はやや高めです。
フッソ塗料 塗料グレード:★★★★★ / 耐久年数:15~20年
価格は少し高めですが、その分すぐれた耐久性が期待できます。何度も塗り替えるのが難しいようならフッソ塗料をご検討ください。
■ 屋根塗装のポイント
屋根の点検、塗装の種類
住宅の中で屋根は雨や風や紫外線など一番過酷な環境に耐えている部分です。しかし目につかない部分でもあります。新築のとき以来、ご自宅の屋根をしげしげと見たことがあるでしょうか?
この屋根なのですが、過酷な環境に耐えるように作っているものではあるのですが、それでも耐用年数があります。耐用年数は屋根材によって異なりますが、20年〜50年となります。これを超えると葺き替えという、屋根の取替工事が必要になります。
「20年〜50年とはずいぶん先の話だ」と思われるかもしれませんが、屋根塗装のサイクルはもっと短く、5年〜15年になります?
「え? 屋根に塗装なんかしているの?」と思う人も多いと思いますので、屋根と塗装の関係について説明します。
日本の住宅の屋根というとまず瓦屋根を思い浮かべます。そして瓦は確かに塗装をしません。そのため屋根と塗装は別物という印象がありますが、他の屋根材では塗装を施しています。具体的にはスレート材、セメント材、金属材の屋根の場合で、特に今は価格や重量の関係からスレート材の屋根が多く、スレート屋根は10年に一度は塗料の塗替えが必要になります。
「屋根なんか自然の色で別にいいし、そのほうが味わいがある。屋根をカラフルにする必要はない」と思う人はおられないでしょうか? それは塗料の役割をちょっと間違えています。塗料の役割のうち色や光沢というのは副次的なものにすぎず、本来の目的は屋根材の保護です。
屋根は雨や風や紫外線による影響を受け、徐々に劣化していきます。もちろん劣化の進捗スピードは材質によって違いますが、早かれ遅かれ劣化するということには変わりありません。
紫外線によって目地のコーキングが劣化し、寒暖差によって屋根材にひび割れが生じます。そこに雨風が侵入してひび割れをさらに広げ、藻やカビが生えます。そうやって大きくなった屋根の破損から雨水が屋内に侵入し、雨漏りや虫害獣害を引き起こします。
塗料も同じく紫外線や雨や風で劣化しますし、スレート材でいうとその寿命は屋根材の半分から1/4しかないということになりますが、屋根材の代わりに劣化することで屋根材を守っています。なぜなら屋根材の葺き替えに対して、塗料の塗替えのほうがはるかに安価なので、塗料で食い止められるのならばそのほうが安く上がるからです。
塗り替えのタイミングですが、これは専門家に見てもらう必要があります。屋根材も塗装の種類も様々ですし、劣化の度合いも家によって様々です。「スレート材では10年に一度塗料の塗替えが必要である」と書きましたが、あくまでそれは目安であって、その家の工事の仕方や立地などによって様々です。
また家の状況に合わせて、塗り替えに使う塗料も変わってきます。
ハイブリッド塗料
- 遮熱シリコン塗料
- フッ素塗料
- 遮熱フッ素塗料
などの塗料の種類がありますが、コストも耐久年数も性能や特質も違います。例えばフッ素塗料は防藻防カビ効果が強いので、日陰になっているなどで藻やカビの生じやすい屋根ならば必要なものになるでしょうし、直射日光に当たり続けているのならば藻やカビよりも遮熱のほうが大切かもしれません。こういった判断は、やはり専門家に見てもらうほうが安全です。
塗装の工程
準備
近所にご挨拶をします。工事車両が出入りしますし、塗料には独特の匂いがあるため、挨拶回りはトラブル回避のために重要です。その後、足場を組み立て、養生を行います。
洗浄
高圧洗浄機で屋根の汚れを落とします
下地処理
すでにあるひび割れやサビなどを補修していきます。この工程がこの後の塗装の善し悪しを決めます。
塗装
下塗り、中塗り、上塗りと3回行います。
縁切り
屋根と屋根の間に隙間を作る縁切りという作業を行います。
後処理
点検をして手直しをし、足場を解体して撤収します。
■ 千葉市での屋根塗装について
外壁の塗装がイメージしやすく必要性も理解しやすいのに対して、屋根の塗装というのはあまりピンとこないという方が多いのではないでしょうか。
日本の家屋の屋根というとまず思い浮かべるのが瓦屋根です。そして伝統的に使われていたのは粘土を焼き上げた瓦であり、これが屋根の代名詞のようになっています。この粘土製の屋根瓦は塗装が必要ないため、なんとなく屋根というのは塗装の必要ないものだという印象があります。しかしこれは間違いです。
屋根はそもそも三角屋根と陸屋根に分かれます。陸屋根は平たくて(傾斜がなくて)屋上などになっているものです。これに必要なのは塗装というよりも防水加工なので除外します。三角屋根は屋根が斜めになっているもので、瓦などで葺いています。ここではその三角屋根に言及しているのですが、ここで使う瓦は、実は四種類あります。
スレート
スレートとは粘板岩のことで、これを加工して作った瓦になります。天然のものも人工のものもあります。初期費用が安く、施工しやすく、軽いという特長を持つのですが、劣化しやすいのと、防水加工のための縁切りという作業が費用なデメリットがあります。寿命は20年程度で、塗装が必要です。
セメント
セメント製の瓦で、施工しやすく塩害に強い特長がありますが、重いのがデメリットです。対塩害性と重さから、沖縄などでよく見かけます。寿命は30年以上と長いのですが、塗装が必要です。
粘土
昔からある瓦です。耐久性が高く変色しづらいのですが、重く、地震に弱く、高額で、施工が難しいという特徴を持ちます。50年以上の耐久性を持ち、塗装は不要です。
金属
軽く施工しやすいのですが、鳥の歩く音や雨音が伝わりやすく、錆びやすく、熱が伝わりやすいです。30年以上の耐久性を持ちますが、塗装が必要です。
このように、粘土以外の瓦は塗装が必要となり、塗装そのものの耐久性は塗料によりますが、概ね5年〜15年です。
塗料の役割と、それが劣化したときに何が起こるかは、外壁塗装と同じです。塗料そのものは日光や雨風によって劣化していきますが、逆に瓦そのものの劣化を塗料で食い止めています。その塗料の劣化を放置すると、ひび割れなどの劣化が瓦そのものに発生し、雨漏りなどの被害を建物内部に起こします。