塗装を乾燥させる時間はどれくらい?重要性や短縮方法を解説

塗装を乾燥させる時間はどれくらい?重要性や短縮方法を解説

「塗装の乾燥にかかる時間を知りたい」
「乾燥にかかる時間は短くできないのか知りたい」

外壁塗装を業者に依頼すると、日程表に「乾燥」の時間が入ります。

実は、この乾燥時間が塗装の質を下げないために大切な工程なのです。

本記事では、外壁塗装の乾燥時間の決め方や乾燥時間を取らないことで起こりえるリスクなどについて紹介します。

外壁塗装を考えているものの、乾燥時間が本当に必要なのか気になるという方はぜひご一読ください。

外壁塗装の乾燥時間について

外壁塗装の乾燥時間について、下記の内容をご紹介します。

・塗装には乾燥させる時間が必要
・塗装を乾燥させる時間の重要性
・乾燥時間の決め方

1つずつ紹介します。

塗装には乾燥させる時間が必要

塗装には下塗り・中塗り・上塗りの3つの工程があり、工程ごとに乾燥させる時間が必要です。

乾燥時間とは外壁を塗装した後、塗料が完全に固まり乾くのに必要な時間のことを指します。

乾燥が必要なのは下塗りの後と中塗りの後で、一般的な乾燥時間は3〜24時間ほどです。

ただし3~24時間というのはあくまでも目安で、季節や天候も乾燥時間に大きな影響を与えます。

天気が悪かったり湿度が高かったりすると、乾燥が遅くなりかねません。

寒い季節や多湿な環境ではさらに乾燥に時間がかかるケースがあるため、計画的な施工が必要です。

塗装を乾燥させる時間の重要性

塗装を乾燥させる時間はとても重要です。

乾燥時間を守らないと塗料が本来持っている性能を発揮できず、耐候性や防水性にも悪影響が発生します。

乾燥時間を守ることで塗膜が適切な密着力と耐久性を持ち、長期間にわたって劣化を防ぐことが可能です。

また乾燥時間を守ることで、塗装の仕上がりが均一になり、ひび割れや色ムラの発生を防げます。

乾燥時間の決め方

乾燥時間の決め方は塗料の種類や特性、使用環境によって異なります。

基本的にはメーカーが指定している手順に従い、適切な乾燥時間を守ることが大切です。

塗り方によっても乾燥の速度は異なり、塗料の塗布に厚みがあるほど乾燥に時間がかかってしまいます。

厚い塗膜は内部まで乾燥させるのが難しいので、乾燥時間を一定にするためにも薄い塗膜で均一に塗ることが重要です。

素人のDIYだと塗膜の厚さが均一にならないので、乾燥時間の決め方が難しくなります。

よって外壁を塗装する場合はDIYではなく業者に依頼しましょう。

乾燥時間を取らないと起こりえるリスク

乾燥時間を取らないと起こりえるリスクを紹介します。

・塗膜の性能が発揮されない
・色ムラなど仕上がりの質が落ちる

この2点は特に気をつけておくべきリスクです。

塗膜の性能が発揮されない

決められた乾燥時間を守らないと、塗料の持つ本来の性能が正しく発揮されないことがあります。

塗料の特性が十分に発揮できない場合、耐候性や防水性にも悪影響を受けるため乾燥時間は正しく守ることがおすすめです。

色ムラなど仕上がりの質が落ちる

乾燥時間を取らないと色ムラなど仕上がりの質が落ちます。

色ムラや均一性が保てないためひび割れや色ムラが起こることがあり、見た目にも悪影響が出ます。

外壁塗装における色ムラや仕上がりの質の劣化は、美観だけでなく塗装の耐久性にも影響を与えかねません。

塗膜の密着性が低下し、外部からの悪天候や紫外線などの影響を受けやすくなります。

その結果、劣化が早まり再塗装や修理が必要になります。

塗装の乾燥時間に影響する要因

塗装の乾燥時間に影響する要因には次の4つがあります。

・塗料
・季節
・塗装方法
・風通し、日照時間

それぞれ詳しく解説します。

塗料

塗装の乾燥時間は使用する塗料の種類によって異なります。

外壁塗装には無機系塗料・フッ素塗料・シリコン系塗料がよく使われますが、乾燥時間にはそれぞれ目安があります。

塗料が水性か油性かなのかも乾燥時間に影響する要因です。

一般的に水性塗料は油性塗料よりも乾燥に時間がかかります。

水性塗料は水分を蒸発させて塗膜を形成するため、特に気温が低い時期は乾燥が遅くなりがちです。

水性塗料のうち弾性塗料はさらに乾燥に時間がかかります。

弾性塗料は弾力性があり外壁のひび割れ防止に使われることが多いものです。

塗膜を厚くすることでひび割れを防止するため、塗装内部まで乾燥するのに時間がかかります。

高性能の塗料を選んでも、正しく乾燥時間が守られなければ完全な仕上がりにはなりません。

季節・気候

塗料の乾燥時間は季節や気候によっても変わります。

外気温が高い夏場は比較的乾燥時間は短くなります。

ただし梅雨の時期は湿度が高いため塗料が乾燥しにくいです。

外気温の低い冬場も塗料が乾燥しにくく、乾燥時間は長くなります。

一方冬でも温かい地域や雪が降らない場所では、時間帯を工夫することで塗装が可能です。

その土地の気候に詳しい地域密着型の業者に依頼するのがおすすめです。

塗装方法

塗装方法によっても乾燥時間は変わります。

外壁塗装では、通常のローラーもしくはマスチックローラーを使用するのが一般的です。

マスチックローラーとはスポンジ状のローラーで、外壁を厚塗りする際に使用します。

モルタルやコンクリートのひび割れの補修時に使われることが多いです。

スポンジ状のため粘度の高い塗料でも一気に厚塗りできますが、塗膜が厚くなるため内部まで乾燥するのに時間がかかります。

マスチックローラーを使用する場合には、通常のローラーよりも長時間の乾燥が必要です。

風通し・日照時間

住宅が密集しているなどして風通しが悪い場所も、塗料が乾燥しづらい要因になります。

日照時間の短い北面は特に乾燥しにくいので、長時間の乾燥が必要です。

塗装における乾燥の4つの段階

外壁塗装の乾燥には4段階あります。

それぞれ指触乾燥・半硬化乾燥・硬化乾燥・完全乾燥と呼ばれ、各段階で乾燥時間が異なります。

以下に、乾燥の4段階の特徴や注意点を解説します。

指触乾燥

乾燥の第1段階を指触乾燥と言います。

塗装面を軽く指で触っても塗料が付着しない状態です。

塗膜の表面は乾燥しているように見えても内部は乾燥していません。

指触乾燥の段階で強い力でこするのは厳禁で、重ね塗りもできません。

表面が乾燥できているか確かめるときは、塗膜がヨレたり指紋が付いたりしないよう軽く触れます。

指触乾燥にかかる時間は塗装後1~2時間程度が一般的ですが、天候や湿度によって乾燥時間は前後します。

半硬化乾燥

乾燥の第2段階は半硬化乾燥です。

この状態では、塗装表面を指の腹でこすっても塗膜がヨレたりシワになったりしません。

半硬化乾燥にかかる時間は通常3~24時間程度ですが、気候や塗装方法によって適切な乾燥時間は異なります。

気温が低いと長めの乾燥時間が必要です。

硬化乾燥

乾燥の第3段階は、硬化乾燥です。

硬化乾燥では、塗膜を強くこすっても指紋がついたり傷がついたりしません。

表面だけでなく塗膜の内部まで乾燥が進んでいる状態です。

ただしまだ完全に乾燥していないため、爪などの硬く尖ったもので触れないよう注意しましょう。

硬化乾燥に要する期間はおよそ1週間です。

目視では乾いているように見えてもまだ完全に乾燥しているわけではないため注意が必要です。

完全乾燥

乾燥の第4段階は完全乾燥です。

塗膜が完全にできあがり、内部まで乾燥した状態です。

この状態になると、酸性やアルカリ性の薬品が付着しても塗膜が溶け出すことはありません。

ただし強い衝撃や負荷をかけると塗膜の劣化につながるので注意しましょう。

完全乾燥には2週間程度必要で、気候条件や塗料の種類によっては1~2カ月ほどかかる場合もあります。

塗装工程ごとの乾燥時間

外壁・屋根の塗装には、一般的に下塗り・中塗り・上塗りの工程があります。

それぞれの工程によっても乾燥時間が異なるため、以下で解説します。

下塗り

下塗り剤の種類によって乾燥時間は異なります。

下塗りとは、外壁の素材を保護したり上塗り剤との密着を高めたりするために塗装の最初に行う作業のことです。

塗装面の高圧洗浄やひび割れなどの補修後に行います。

塗料の密着性を高める目的で使われるシーラー系の下塗り剤の乾燥時間は、一般的に2~3時間程度です。

ひび割れを覆う役割があるフィラー系の下塗り剤では4~6時間が一般的です。

防水系塗料を下塗り剤として使用する場合では、乾燥時間は約16時間とされています。

防水系塗料は雨水の浸入を防ぐ効果があります。

中塗り

中塗りでは上塗りで使う塗料と同じ塗料を使いますが、使われる塗料によって乾燥時間は異なります。

水性塗料を使った場合の乾燥時間は2~4時間程度、油性塗料を使った場合の乾燥時間は4~24時間程度です。

シリコン系塗料を使った場合の乾燥時間はとても長く、12~48時間程度の乾燥時間が必要です。

上塗り

上塗りでは中塗りと同じ塗料が使われるため乾燥時間はほぼ同じです。

ただし、上塗りは最終の塗装であり外観を決定づける重要な工程のため中塗りより少し長めに設定されるのが一般的です。

上塗りでこれまでの工程で生じたムラを丁寧に覆い、しっかりと完全乾燥させます。

外壁塗装の乾燥時間を短縮する方法

外壁塗装の乾燥時間は短いほうが効率もよく、スムーズに作業が終わります。

作業時間が短縮されると、人件費も安く済むなどのメリットもあるためお得です。

外壁塗装の乾燥時間を短縮する方法について紹介します。

・早く乾燥する塗料を使用する
・春や秋に塗装する

1つずつくわしく紹介します。

早く乾燥する塗料を使用する

乾燥しやすい塗料を使用することは、外壁塗装の乾燥時間を短縮するために有効な方法の1つです。

商品や塗料メーカーごとに規定の乾燥時間は多少異なるものです。

乾燥が早い塗料は、施工後すぐに表面が固まり乾燥が進みます。

ただし塗料の乾燥が早いと宣伝されていても、場所や外壁材によって不向きな場合もあります。

乾燥時間を縮めたいときは信頼できる業者に相談し、適切な製品を選ぶことが重要です。

春や秋に塗装する

前提として外壁塗装を行えない月はありませんが、乾燥時間を短縮させるためには暖かくて湿度の低い季節に塗装するのが最適です。

外気温が低い冬は乾きづらく、乾燥に時間がかかります。

雪や梅雨の時期も不向きです。

夏はゲリラ豪雨や台風の可能性があるので予定よりも作業が遅れたり、乾燥の時間がかかったりすることがあります。

塗装の乾燥時間を短くしたい場合、降雨量が比較的少なく気温や天気が安定しているため春や秋がおすすめです。

外壁塗装の乾燥時間における注意点

外壁塗装をするときの乾燥時間は、外壁の仕上がりを決める重要なポイントです。

きれいな外壁を保つためにも、乾燥に関する注意点を理解しておきましょう。

外壁塗装の乾燥に関する注意点は3つです。

・塗装の作業期間が短すぎる業者を選ばない
・完全に乾燥するまでは触らない
・乾燥が早いからと安易な塗料選びを行わない

以下に詳しく解説します。

塗装の作業期間が短すぎる業者を選ばない

見積もりの時点で施工期間が明らかに短い業者は、正しい乾燥時間を守っていない可能性があります。

中には下塗りから上塗りまで1日で仕上げるという業者がいますが、乾燥に必要な時間を考えても1日で塗装が終わることはありません。

不具合が起こることを知っていながらも乾燥時間をわざと短くして、受注を増やそうとする悪徳業者もいるので注意が必要です。

あまりにも施工期間が短い場合には、その理由を確認しましょう。

完全に乾燥するまでは触らない

塗料が完全に乾燥する前に触ると、塗膜の剥がれや変形が起こることがあります。

目視では乾燥したように見えても塗膜内部までは乾燥できていない場合もあるため、塗装が完全に完了するまでは塗膜に触らないようにしましょう。

乾燥しきっていない塗膜は汚れが付きやすいため、塗装中は住宅のそばでの洗車や植木の剪定作業は控えるのがおすすめです。

乾燥時間は施工時の気候によって異なるため、完全乾燥までの目安をあらかじめ質問すると安心です。

乾燥が早いからと安易な塗料選びを行わない

塗料によっては乾燥時間が短いものもありますが、それだけを理由に塗料を選ぶのはおすすめできません。

塗料には外壁を太陽光や雨水などから保護する役割を持っています。

「乾燥時間が早いから」と塗料を選んでしまうと、ご自宅に必要な機能性をもった塗料を選べなくなってしまう恐れがあります。

塗料は一度塗ってしまえば、短くても数年は効果を発揮し続けるものです。

多少乾燥に時間がかかったとしても、必要な機能を備えた塗料を採用しましょう。

塗装の乾燥時間についてよくある質問

塗装の乾燥時間についてよくある質問を4つ紹介します。

・外壁塗装は何日くらいかかる?
・外壁塗装に必要な工程は?
・外壁塗装の寿命は何年?
・塗装はDIYでもできる?

1つずつくわしく解説します。

外壁塗装は何日くらいかかる?

外壁塗装は全工程を完了するのに7〜15日ほどかかります。

塗装前に必要な修復や下地処理にかかる時間、塗装する範囲によってもスケジュールは変わるので、一概に「〇日かかる」とは言い切れません。

雨では作業を進められないため、天候によってもスケジュールは左右されます。

業者から提供される工程表やスケジュールを確認し、具体的な工期を把握することが大切です。

外壁塗装に必要な工程は?

外壁塗装に必要な工程は一般的に下記のとおりです。

・工事前の下準備(ご近所さんへ挨拶、作業現場の確認)
・1日目:足場の組み立て
・2日目:高圧洗浄
・3日目:養生
・4日目:下地調整
・5~6日目:下塗り(作業1日+乾燥1日)
・7~8日目:中塗り(作業1日+乾燥1日)
・9~10日目:上塗り(作業1日+乾燥1日)
・11日目:チェック作業
・12日目:足場の解体

外壁塗装といっても、足場の組み立てや下地の調整、乾燥の日も必要です。

詳しい工程に関しては、依頼先の業者に確認しましょう。

具体的な工程内容に関しては下記の記事で解説しています。

▼関連記事

外壁塗装を依頼後の流れはどうなる?手順や工程表を徹底解説

外壁塗装の寿命は何年?

外壁塗装の塗り替えを検討すべき寿命は塗料の種類によって異なります。

塗料の種類と耐用年数の目安は下記のとおりです。

・ウレタン塗料:5〜10年
・シリコン塗料:7〜15年
・フッ素塗料:12〜20年
・無機塗料:18〜20年

メンテナンスの必要性については、外壁の劣化状況や塗料のグレードによっても変動するため「塗料の耐用年数以内であれば大丈夫」というわけではありません。

外壁に不具合が確認できるようであれば、信頼できる専門業者に相談してみると安心です。

外壁塗装はDIYでもできる?

外壁塗装はDIYで実施するのも不可能ではありません。

しかし高所での作業も多く、落下して怪我をするリスクがあります。

外壁や屋根塗装をDIYで実施するのは危険なので、おすすめできません。

また知識のない人が塗装すると塗りムラが発生する恐れがあり、その場合塗料の耐久性が短くなってしまうことがあります。

外壁塗装は業者へ相談するほうが安心です。

適切な塗装の乾燥時間をとることで仕上がりに差が出る

適切な乾燥時間を取らないと塗膜の性能が発揮されなかったり、仕上がりの質が落ちたりとトラブルが起こりやすくなります。

天候や気温にも左右されやすいですが、乾燥時間は必要な時間だと理解しましょう。

早く乾燥する塗料を使う、もしくは安定した気候の季節に作業を依頼すると乾燥時間を短縮できます。

ただし、素人がDIYで塗装するのは仕上がりの面や安全性からいってもおすすめできません。

外壁塗装の乾燥時間を見極めることは素人では難しいので、信頼できる業者にお任せするのがおすすめです。

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監修者プロフィール
間中明世

マナカリフォーム株式会社
代表取締役 間中明世

保有資格:

足場作業主任者・石綿作業主任者・石綿含有建材調査者・アステックペイント技術研修会 修了

業界歴・経歴:

塗装工事に従事し13年以上。1,000棟以上の塗装工事に携わり独立後は千葉市/四街道市で674棟以上の塗装工事を実施

出身地:

千葉県千葉市稲毛区

私は8年間、下請けの現場作業員として勤務していました。
仕事自体は好きでしたが、元請けの仕事のやり方で何度か嫌な思いをした経験があります。例えば本来正面の1面だけでよい足場を、4面にかけて不要な費用を発生させるなどです。その他にもお客様への向き合い方で大小さまざま、疑問に感じることがありました。ただ元請け先との関係から何も言い出せない、そんな現状に悩み続ける毎日を過ごしておりました。
「もっと誠実にお客様と向き合いたい」「工事で失敗する方を減らしたい」
という想いが日に日に強くなり、マナカリフォーム株式会社を立ち上げるに至りました。
創業時の想いと「常に誠実・正直」を信念に、お客様を裏切らない仕事をお約束します。

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